米オニックス社長、「顧客管理手法はアクティブCRMへ」

オニックス・ソフトウェアのジャニス・アンダーソンCEOがCRM市場の現状と同社の今後の戦略について説明するブリーフィングを開催した

» 2005年02月13日 11時46分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 CRMソフトウェアベンダーの米Onyx Softwareの日本法人、オニックス・ソフトウェアは2月10日、米本社のジャニス・アンダーソン氏の来日に伴い、CRM市場の現状と同社の今後の戦略について説明するブリーフィングを開催した。中堅企業向けCRMベンダーというイメージを払拭し、Siebel SystemsやSAPのように大企業をターゲットにしたビジネスを強化するとしている。

ジャニス・アンダーソン氏。

 カスタマーマネジメント市場の最近の動きについてアンダーソン氏は、「顧客は売り上げの創出に焦点を当てはじめている」と指摘。インターネットバブルの崩壊後、コスト削減が優先された最近のIT投資が、徐々にポジティブな方向へと向かいつつあることを強調する。ちなみに、ようやく日本でも定着してきたかに見えたCRMという用語だが、最近ではアンダーソン氏が用いるように、カスタマーマネジメント、いわば「CM(顧客管理)」と呼ばれることが多いようだ。

 同氏はまた、顧客管理において、モバイルソリューションが標準になりつつあること、業務プロセスの自動化がキーワードになっていると説明した。そして、これらのニーズを実現するための方法論として、同社は「アクティブCRM」という考え方を取り入れた。

 アクティブCRMの背景には、従来のような顧客データを中心にしたCRMではなく、データをトリガーに自社の業務プロセスを動かす、プロセス中心の組織へと企業を変化させるという考え方がある。既存のビジネスプロセスにマッピングするのではなく、社員がビジネスの変化に気づき、業務のやり方を変えるための心臓としてCRMソフトウェアが働くといったイメージだ。これは、ビジネスインテリジェンスへの注力を強調するSiebelと取り組みの方向性は同じと言える。

 具体的には、経営者向けれポーティングなどを行う「分析」、コールセンターやSFAを中心とする「顧客管理」、社内の業務の流れを定義する「プロセス管理」の3つを柱に、企業がアクティブCRMを実現できるように製品を展開していく。

 一方、日本については、「導入企業が80社を超えており、非常に重要な市場」と同氏。1月25日は伊藤忠テクノサイエンスとの販売代理店契約を結んでおり、NEC、富士通、NTTなどとのパートナーシップも重視する考えだ。また、最近の導入実績としては、AIG、AIUが挙げられた。

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