StrutsとJSFの開発者が「コンポーネント指向」開発を語るInterview(2/2 ページ)

» 2005年03月18日 21時27分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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Visual Basicを狙うJava Studio Creator

ITmedia CreatorはVisual Basicを利用する企業のデベロッパーを狙っていたと思いますが、あまり移行は進んでいません。

マクラナハン 残念ながら最初のバージョンに盛り込むべき機能を盛り込めなかったのです。それはわれわれが解決すべき問題ですね。詳細については話せませんが、ご期待ください。

 そうはいっても、企業のデベロッパーは.NETのコミュニティーにもいるし、Javaのコミュニティーにもいます。そして、彼らはCreatorを気に入ってくれています。

 もう1つの側面は、.NETからJavaプラットフォームに移行してもらうには、Creatorのようなツールが存在することを知ってもらわなければなりません。マーケティングも強化しています。

ITmedia Creatorの狙いは、Javaデベロッパーを1000万人に拡大することだったと思います。どのように実現するのでしょうか。

マクラナハン ニーズを見つけ、それを満たすことが重要です。

 企業のITシステムでは、例えば、データベースからデータを入手するのを簡単にしたい、あるいは、Webサービスでレガシーシステムからデータを入手したいというニーズがあります。

 また、フルタイムのデベロッパーではない人、例えば、専門分野で働く人たちがある情報を必要としていても、IT部門は、「分りました。3年後にレポートが出せるようにします」といった話になってしまいます(笑)。

 スマートな人であれば、何とかして技術を駆使し、その情報が取れないかと模索するはずです。そんな彼らもわれわれのターゲットの1つです。

ITmedia Visual Basicは再利用できないコードを企業に氾濫させてしまったと指摘する人もいます。CreatorでJavaデベロッパーのすそ野が広がれば、同じことになってしまいませんか。

マクラナハン どんな技術もそれは考えないといけません。そうならないために、何をすべきかはわれわれに責任があり、例えば、デベロッパーに教育していかないといけない。

 オブジェクト指向開発が必要なところは確かにあります。きちんとしたスキル、知識を持った技術者をアサインしなければならないでしょう。もちろん、それでも成功が約束されているわけではありません。

 ただ、私はこれまでWebティアに注力してきました。言い換えると、技術をつくるというよりは、技術を使うアプリケーションに注力してきました。オブジェクト指向開発は、正しく、拡張性のある、ちゃんと保守ができるアプリケーションをつくるうえでは必ずしも必要ないと思います。

 もちろんある程度の規範は必要で、それがコンポーネント指向型の手法を使うということです。JSFのビジュアルコンポーネントを利用することもそうですし、データベースラッパーのような非ビジュアルコンポーネントもあります。

 やはり、新しい開発者にオブジェクト指向の規範を教えるのは時間がかかります。コンポーネント指向型は、子どものオモチャで木製の部品を組み合わせるティンカー・トイズのようなもので、あれこれと組み合わせていけばいいわけです。

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