「BI拡大にはユーザーのスキル底上げが必要」とコグノス新社長

コグノスの新社長、パーマー氏が都内で記者会見を行い、サービス・サポート部門を強化して、ベストプラクティスを顧客やパートナーに提供することが重要だとした。

» 2005年04月21日 23時02分 公開
[垣内郁栄,ITmedia]

 先ごろコグノスの代表取締役社長に就任したフォレスト・パーマー氏が4月21日、都内で記者会見を行い、顧客やパートナー支援のコンサルティング部隊を拡充し、グローバル企業に対しての直接販売の比率を増やす考えを示した。グローバル展開する企業などで販売代理店を通さずにコグノスと直接に取り引きをしたいという顧客が増えているといい、コンサルタントなどのサービス・サポート部門を増員して対応するという。

コグノスの代表取締役社長に就任したフォレスト・パーマー氏

 パーマー氏は、日本でビジネスインテリジェンス(BI)を拡販するためには、「ユーザーのBIのスキルを底上げすることが条件になる」と指摘。サービス・サポート部門を強化して、「コグノスのワールドワイドのベストプラクティスを顧客やパートナーに提供する」とした。また、コグノス日本法人の従業員を現在の60人から向こう2年で100人程度まで増員する方針も明らかにした。

 「コンサルティング業務の強化で顧客やパートナーに対して、どのようにBIを使っていくかというベストプラクティスを導入していきたい」(パーマー氏)

 BIは企業内の財務部、経営企画部など特定の部署だけが使う利用法から、営業の現場など全社で利用する方法へ移りつつある。そのためBIを利用するユーザー数やデータ量は増大し、「大きなデータウェアハウスが必要になる」。このような大規模なBIの利用に対応するにはワールドワイドで蓄積されたベストプラクティスの応用が求められるというのがパーマー氏の考えだ。パーマー氏は国内では特に「エンタープライズレポーティングや分析系アプリケーションに注力したい」と説明。2005年後半には「非常に面白い新製品を発表する」とした。

 特定業種向けのアプローチも強める。銀行・保険、製造、流通・小売、官公庁などの拡販に注力する方針で、それぞれの業種に強いパートナーと協力する。富士キメラ総研の調査によると、国内のBI市場(2004年見込み、売り上げベース)で、コグノスは27.1%のトップ。コグノス本社の上級副社長で、日本法人の代表取締役会長を務めるジャック・トーマス氏によると、コグノスのワールドワイドのうち、アジア太平洋地域が占める売り上げの比率は2004年第4四半期で8%。しかし、成長率は米国や欧州を大きく上回る63%。トーマス氏は「日本での市場機会の拡大に注目している」とし、パーマー氏への期待を示した。

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