日本企業からすれば、地理的近さ、日本語能力、漢字文化圏といった点でインドより中国の方がはるかに「親しみやすい」と考えられている。しかし、日本企業が国内でアウトソーシングして「成功」してきたやり方(日本的な開発手法)が、親近感の持てる中国といえども通用しないという現実がある。仕様が曖昧なまま、仕様変更を頻繁におこないながら品質を高めるというやり方は日本人の間以外には通用しにくいと考えた方が無難であろう。
「2007年問題」に象徴される日本国内のIT人材が減少傾向となる中で、印中へのオフショアリングは一層増大するであろう。インドと中国の強みと弱みを充分比較検討した上で慎重にベンダーを選ぶべきであろう。日本企業がオフショアリングの際、グローバルな開発手法を少しでも念頭においてくれた場合、インド側が日本語能力を一層強化することで、インドITベンダーも日本企業の収益向上にかなり貢献できるのではないか。
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