「顧客のおっしゃることは何でも聞くという姿勢をとったからといって、顧客のベンダーSEに対する信頼が高くなるとは限らない。むしろ、やがて不信感をもたれるようになってしまうであろう。顧客担当者に迎合しても、担当者の満足度は上がるかもしれないが、顧客企業にとって最適かどうかを見極めなければ真の顧客満足にはつながらない。」
そんなことをして、もし顧客の逆鱗に触れ、取り引き停止にでもなってしまったらどうするのか、と思われるむきもあるだろう。「それもいいではないか」と名内氏はいう。真にシステムのことを考えて口論した結果でそうなったのなら、胸を張ってその事実を受け止めればいい。SEにとっては「出入り禁止も時にさずかる勲章」(名内氏)なのだ。
SEが、打算なく心の底からシステムの最適解を考えてした言動は、最後には顧客に理解されるものだと両氏は口を揃える。
別に、何でもかんでも顧客の意見に意義を唱える必要はない。しかし、決してイエスマンになってはいけない。顧客に甘い顔しか見せないSEは信頼されない。ときにはハラを決めて、ケンカをすることも重要なのだ。
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