OpenOffice.org 2.0について、2人のマネージャーに聞くFocus on People(2/2 ページ)

» 2005年05月11日 16時31分 公開
[Mayank-Sharma,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine
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LSP ふむ、前半の質問については何と答えればよいのでしょうか。もちろん、移植やバージョンのたびに多くのバグを改修したり、おそらくは新機能の追加もあるでしょうね。しかし、3.0に向けて始まろうとしている作業のほうが、興味を引くかと思います。

MH 先ほどお話しした手続きはわたしたちにとってよい経験となりました。その経験から言えば、バグの改修は以前より少なくなると考えています。ですから、新機能を追加する機会は増えるでしょう。しかし、2.0以降のメジャー・リリースについては具体的な予定はまだ何も決まっていません。最終的な構想を立てるために、OOoコミュニティーとSunのStarOfficeのユーザーから意見を集めることになるでしょう。

ソフトウェアが変わった以外に、開発手続きも変わったのでしょうか。

LSP 基本的に、OOoの開発におけるコミュニティーの関わりは新しい段階に入りました。わたしたちは徐々に成熟し、すべての参加者と上手に協力できるようになっていると思います。昨年、Engineering Steering Committeeを立ち上げました。この委員会は、コード・プロセスに関する問題を扱います。それと同時に、技術的プロジェクトでは、能力のあるメンバーにより多くの仕事の機会が与えられるように一致して努力しました。今は子ワークスペース(CWS)を利用していますが、これは効果的なテストCVSブランチですし、一般に、コーダーがOOoに参加して関心のある分野の仕事をするのが非常に容易になります。

 文書化や初心者の指導なども進めています。こうした点については、開発プロジェクトのページにいろいろと説明してありますが、まだ始まったばかりです。関心を持った開発者がすぐに軌道に乗れるように、文書化とサンプルの開発をさらに進めなければなりません。

MH 開発手続きの変化によって生まれた大きな効果について、1つお話ししましょう。わたしたちの主な目標はいつでも安定したツリーを維持することですが、マルチプラットフォームかつ多言語の開発環境では困難です。そこで、ある種の開発管理スタイルを採用しました。子ワークスペースを導入したのですが、それ以来Sun以外の開発者がCVSリポジトリにコミット・アクセスする例が増えています。また、パッチをメイン・ビルドに組み込むまでの時間が劇的に短縮しました。これが極めてよく機能していることは、遅れていたMac移植チームが、最後の数か月間に、他の主要なプラットフォームに追いついたことを見ればわかります。

新バージョンの文書化についてはいかがですか。変更点がたくさんあり、データベースエンジンなど、新たに追加された点もあります。

LSP はい、多くの点で変更されています。仕様とリンクした新機能の概説書を用意しました。かなりよい出来だと思いますが、これは主としてユーザー向けです。開発者の方はToolsプロジェクトをご覧になるほうがいいでしょう。プロセスと環境の概要がわかります。ダウンロード可能なSDK(Software Development Kit)も用意してあります。これには、実際に役立つ例やコード断片が含まれています。

最近、インドにいらっしゃいましたね。OOo 2.0の国際化は進みましたか。最初のリリースでは、何カ国語に対応しますか。

LSP はい、インドにおりました。前回もそうだったのですが、オープンソースやOOoが大変に歓迎されており、感銘しました。それはもう、当惑するほどの大歓迎でした。鍵となる課題(そして希望)は、すべての善意と努力の結集です。

 2.0は節目となる製品であり、国際化も進んでいます。世界中のコミュニティーが4年半かけて構築を目指した成果ですからね。2.0 GMのリリースでは、少なくとも50言語にローカライズします。その内の45は、活発なコミュニティーによるサポートが提供されるでしょう。

 その中には、インドで話されている言語の少なくとも半数が含まれると期待しています。ヒンディー語、タミール語、グジャラート語、カンナダ語などです。インドの言語に対応することは重要です。いくら強調しても強調しすぎることはありません。それは、わたしたちだけでなく、あらゆるオープンソース・グループが直面する実に膨大なロジスティックス上の問題に繋がります。私企業、政府機関、ボランティアが協力し、それぞれ自身にとっての利益が明確であるとともに、他者にとっての利益がおそらくはさらに明確であるようなものを協力して作り上げるよう、わたしたちは求めているのですから。

ベータ・リリースへの反応はいかがですか。これまでのダウンロードの数は?

LSP 少なくとも100万でしょうが、数えるのはとても困難です。たとえば、わたしたちのたくさんあるサーバーへの直接アクセスやCDROMの複写については調べていないのです。

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