実力差が出る「ミドルウェア」への感覚ミドルウェアを制するものがシステムを制す(2/4 ページ)

» 2005年05月12日 23時45分 公開
[藤野 裕司(DAL),ITmedia]

 一方、日本ではVANはひとつの相手先にすぎず、アプリケーションデータをそのままの形で相手先と直接送受信するのが一般的である(図2)。

 その結果どうなったかというと、欧米でB2Bの話をするとトランスレータの話になり、日本で話をするとデータの集配信・振り分け、通信プロトコルの話になる。これは、B2B関連製品の機能に大きな影響をおよぼしている。

国産製品と海外製品を比較するために

ここで、B2Bの機能についてもう少し深く見てみよう。欧米でのB2Bは、データの相手先別業務別振り分けはVANで行う。それを効率よく実施するため、アプリケーションのデータは標準形式(EDIFACT、ANSI X.12等)に変換してVANに送り、VANから受けたデータは逆変換してアプリケーションで使う。そのため、データの変換を行うトランスレータが非常に重要な役割となる。一方、通信はVANとやり取りすればよいだけだし、集配信・振り分けもVANで行うため、それらについてはあまり重きをおいた構造になっていない。

 ところが、日本では企業と企業が直接接続をするため、標準の通信手順としてJCA手順や全銀手順、全銀TCP/IP手順が生まれた。また、定められた相手先に正しいデータを送るため集配信・振り分け機能も充実している必要がある。データはアプリケーションの中で変換し、そのまま送るため、トランスレータなどはあまり意識されていない。つまり、日本のB2Bでは、通信機能と集配信・振り分け機能が重視され、トランスレータは重視されてこなかったわけだ。

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