楽天のビジネス拡大を止めないためにIBM Software World 2005(2/3 ページ)

» 2005年05月18日 17時01分 公開
[谷川耕一ITmedia]

 「スピード、スピード、スピード」これは楽天の代表取締役である三木谷氏の好きな言葉だ。ビジネスのスピードもさることながら、システムのスピード、開発のスピードも求められる。楽天は流通の会社というイメージが強いが、開発体制は基本的に自前だ。変化し続けるシステムには、毎月、毎週新機能のリリースがあるという。

 「システムが変化し続けるので、次を予測しながらマネジメントするところが、楽天のシステムの難しいところです」(同氏)

 データのフラグメンテーションの増加を解決し、伸びるアクセス数にはCPUの追加で対応する。CPUを足していって性能が拡充するシステムでなければ、投資効果は上がらない。

 楽天では、システムのスケーラビリティを確保する方法として、アプリケーション分割を行っている。更新系と参照系を分離させる方法だ。さらに要求が高ければ、参照系システムだけを追加する。簡単だが確実にスケーラビリティを確保できる方法だ。

システムの冗長性を工夫する

 スケーラビリティ以上に要求が高いのが、可用性の確保だ。計画停止も含めできる限り落とさない、落ちても早く復旧するという2つのポリシーが掲げられている。現状のシステムでは、Informix+VERITAS Cluster Serverで待機系に作業を引き継ぐ方法と、Oracle Real Application Clustersのクラスターシステムを利用している。

 Informix+VERITASのリカバリには、1分から長くて5分程度の時間がかかる。Oracle RACの場合は、リカバリ時間は数秒と短い。しかしながら、Oracle RACでは共有ディスクが逆に仇となり、ディスクのメンテナンスのためにはシステムを止めなければならない状況も発生するという。

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