EMCジャパン、中小企業に向けて「ストレージをシンプルに」

EMCジャパンは5月19日、中堅・中小企業向けのストレージソリューションパッケージと、アーカイビング用のストレージシステムを発表した。大企業に強い同社だが、中小企業市場への戦略を強化している。

» 2005年05月19日 15時31分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 「Making Sotrage Simple」(ストレージをシンプルに)――EMCジャパンは中堅・中小企業へ向けた戦略を強化している。このところ中堅・中小を対象にした製品を矢継ぎ早に投入してきた同社だが、5月19日、新たにソリューションパッケージとコンプライアンス(法令順守)要件に適したアーカイビングのCASシステム「Centera」を発表。さらに攻勢を強める。

 「EMC Express Solutionシリーズ」と呼ばれる新ソリューションパッケージは、中堅・中小のストレージの課題に対応するもの。ハード、ソフト、サービスを一体化し、導入しやすい価格帯で提供する。ストレージ統合/バックアップ/アーカイブ/情報保護の4種類をそれぞれ要件に応じた3レベルで選択できるのが特徴。「EMCとパートナーのベストプラクティスをパッケージングして提供する」(西澤伸樹マーケティング本部長)。

 また、大企業でしか導入が難しかったアーカイビングのCASシステム「Centera」に、中堅・中小向けの下位機種となる4ノードモデルを追加。個人情報保護法など、日本でも高まる情報保護への規制の準拠を中小企業でも行いやすくする。

centera 中堅・中小企業向け4ノードモデルの「Centera」。これまで8ノードが最小構成だった。

 Centeraは、シリアルATAディスクを搭載したストレージシステムで、データをコンテンツ単位に一意のアドレスを付加して扱う。アドレスを知るユーザーしかそのコンテンツにアクセスできず、ディスクベースのWORM機能や、データの真正性をビットレベルで監視したり、保管期間を設定できるなど、各種の規制に対応したデータ保管が可能だ。特に、「SEC 17a-4」で知られる電子メールの保存を義務づける米証券取引委員会(SEC)自身が、自社のExchangeのメール管理にも利用している。

 4ノードモデルは、これまでの最小8ノードだったCenteraと同様の機能を備えており、最大2.2Tバイトまでの容量に対応する。19インチラックも順次サポートしていく予定で、ファイルサーバからデータCenteraへのデータ移行、保管を1ラックで構築することが可能になるという。

 Centera4ノードの価格は、最小構成で800万円から。保管期間などの設定できるソフトウェア機能などは別。中小企業向けのストレージソリューションについては、伊藤忠テクノサイエンス(CTC)やシーティーシー・エスピー、ネットワールドなどとともにも展開していく。

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