Free Software FoundationとOpenOffice.org、Java問題解決へ (3/4 ページ)

» 2005年05月20日 11時50分 公開
[Bruce-Byfield,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine

解決策

 話し合いの糸口を作ったのはスコット・カー氏の功績だ。OpenOffice.orgのボランティアを長くつとめた同氏は、現在はドキュメントとQAの共同リードで、ほかにもWordPerfectフィルタの作成など、プロジェクトのさまざまな部分に携わってきた。カー氏には、OpenOffice.orgに関する記事へのコメントを読む習慣があるという。Vaughan-Nichol氏の記事へのコメントのいくつかを見て、同氏は「ひどい」と思った。OpenOffice.orgから即時に回答がなかったため、同氏は「話し合いのきっかけとして」リチャード・ストールマン氏に非公式の電子メールを送り、Louis Suarez-Potts氏をCCに入れた。

 カー氏はそのメールで、Suarez-Potts氏らが非公式に出したコメントを引きながら、同プロジェクトがFree Software Foundationからの貢献を歓迎すると書き、Sunの実績を擁護した。メールの最後に、「どうしたらOOoコミュニティーとFSFの関係改善の手助けができるか教えてください。いくつものフォークを作るより、OOoそのものに従事する者全員で1つのよりより製品を作れたらと思っています」と書いた。

 ボランティアを募集して数日で、ストールマン氏はGNU Compiler for Java(GCJ)を使ってOpenOffice.orgをコンパイルする努力がうまく行きそうだと知った。そして、ボランティア募集をその仕事の続行支援の要望に変更した。ストールマン氏はカー氏のメールへの返信に以下のように書いた。

 わたしたちに必要なのは、しっかりしたOpenOfficeを配布することであって、非フリープログラムの使用を促進することではありません。OpenOfficeの開発者がこのポリシーを持って自分たちのプログラムを維持しようとするなら、それが理想でしょう。最近までわたしはそうなっていると思っていたのですが、そうではないようです。現在のポリシーでは、何かを実装するのに近道だいうだけで、すべてのOpenOfficeリリースが非フリープログラムに依存することになりかねません。

 ストールマン氏は、FSFは、Javaより何かほかのプログラミング言語が適切だといっているわけではなく、ただ、すべてのJavaコードがJavaのフリー実装と互換性があるという保証が必要なだけだと説明した。カー氏と話し合った後、ストールマン氏は、Free Software FoundationはGCJ活動の拡大に集中すると話した。また、カー氏は、FSFがOOoのプログラミングだけでなくQAにも参加し、フリー版Javaで実行できない機能をバグとしてレポートすることを提案した。カー氏自身もそうしたテストに参加するといい、またOpenOffice.orgプロジェクトのリードたちや開発者たちからの正式な回答を得るために尽力すると申し出た。

 正式な回答はまだのようだが、非公式といえ、この合意はOpenOffice.orgのリードたちから大いに歓迎されている。「敵対する必要はないのです」とSuarez-Potts氏は書いている。「今わたしたちがやっていること……それはOOoがどのようにJavaを使用するか、どうして、どのようにしてFSFコミュニティーがOOoの柔軟性を拡大できるかを明確にすることです」。同様に、スコット・カー氏と話し合った後で、Vaughan-Nichols氏は続報記事を書き、残るはほとんどがプログラミングの問題だと述べた。

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