Free Software FoundationとOpenOffice.org、Java問題解決へ (4/4 ページ)

» 2005年05月20日 11時50分 公開
[Bruce-Byfield,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine
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未解決問題

 慎重で楽観的な口調ながら、ストールマン氏はそれほど断定的ではない。「いくらか進歩しています」と同氏はいう。「OOo開発者に協力できる可能性はあります」。当面の問題が解決したことを喜びつつも、ストールマン氏はフリー版Javaと互換性のない機能をバグとして報告するという考えを警戒している。

 それだけで信頼性があるとは思いません。そうしようと思えばいつだって間違いはあり得るし、誰か別の者がその間違いに気づいて報告しなければなりません。それは信頼性のあるやり方とはいえません。信頼性を求めるためには、ほかの開発者たちもこれについて考える必要があります。必ず(フリーJavaで)機能するようにしなければならないというポリシーの表明が必要です。OO開発者たちによるポリシー決定が必要です。

 ストールマン氏は、バグ報告と併せてポリシーを表明することで、かなり確実に問題を解決できるだろうと考えている。Suarez-Potts氏がOpenOffice.orgプロジェクトには既にJavaコード使用に関するガイドラインリストがあると説明しているので、このポリシーは理論的には可能と思われる。だが、OOoプロジェクトがそのポリシーを改訂するかどうかはまだわからない。

 ストールマン氏とOpenOffice.orgがまだ話し合っていない分野としてドキュメンテーションもある。「つまり、SunからJavaインタープリタを入手するための指示書も付いてくるか、ということです。わたしたちはもちろん、フリーJavaプラットフォームを使わないように示唆するようなものは使ってほしくありません」。この件は、バージョン2.0のドラフト版のインストールドキュメントでもドラフト版のユーザガイドは問題になっていないようだ。どちらもJavaについてはまったく触れていない。だが、オンラインヘルプとインストールFAQはSun Javaを直接参照しており、なんらかの手直しが必要であることは明白だ。

 ストールマン氏は代案も検討している。OpenOffice.orgのオフィシャルビルドへのGCJの使用、OpenOffice.orgコードを使ったオフィシャルFSFパッケージ作成、FSFプログラマたちのOOo開発への参加が考えられる。なかでも、新しいプログラマたちの参加は、Suarez-Potts氏のコメントによれば、OpenOffice.orgから歓迎されそうだ。

 最終的にどの解決策が実施されるにしても、ストールマン氏は断固としてそれを探さけなければならないと話す。現時点ではフォークしなくてよさそうであることに安堵しながらも、ストールマン氏は次のように話す。

 どんな方法を使っても問題を解決したいと思っています。この件について彼らがこちらとどれだけ協力し合う意志があるかにかかっています。この問題は解決しなければなりません。現在の状況は到底受け入れられません……。協力の意志があるなら、それがコミュニティーにとって最善です。

 OpenOffice.org内の大規模なコミュニティーやストールマン氏の決意に対しては反感があるため、解決策を決定して実装しても、また問題が発生することになるかもしれない。それでもいまのところは、少なくとも、両者は協力関係を目指して話し合い、協力し合っている。フリーソフトウェア支持者たちは、良心の呵責を感じずにインストールできるバージョンのOpenOffice.orgを手に入れることができるようになるだろう。

Bruce Byfieldはフリーランスの講座立案者・講師、専門雑誌記者。NewsForge、ITMJ、Linux.comの定期寄稿者でもある。

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