日本IBMは現在、ワールドワイドの取り組みとして、「ISVエコシステム」の構築に力を入れている。これに参加しているベンダーの1つがフェアウェイソリューションズだ。
日本IBMは現在、ワールドワイドの取り組みとして、「ISVエコシステム」の構築に力を入れている。「IBMミドルウェアを使ったソリューションを構築し、バリューチェーンをつくりませんか?」というフレーズでも分かるように、これは、IBMが独立系ソフトウェアベンダー(ISV)に対して、WebSphereやDB2といったミドルウェア製品に対応したアプリケーションの構築を支援するもの。
「アプリケーションは自社で持たない」と宣言しているIBMとしては、主力のミドルウェア製品上で稼動するアプリケーションを蓄積することで、顧客企業のさまざまな問題に対して解決を支援できるわけだ。
日本IBMのソフトウェア事業部で執行役員を務める三浦浩同氏によれば、かつて同社は、ISVとパートナーを組む際に、「販路を持つ企業にパートナーになってもらおうとしていた」という。だが現在、この発想を転換し、「エンドユーザーの問題を解決する能力を持つISVにパートナーになってもらい、IBMが持つ販路(チャネル)を使ってもらう戦略に切り替えた」(三浦氏)
同社の取り組みであるPartner World ISVでは、ソリューションはあるが販路がないといったISVに対して、IBMおよびほかのパートナーとの協力体制を敷き、販路を斡旋するといったことも行う。また、IBM東京イノベーションセンターにおける開発、テクニカル、スキルアップ、さらに、ソリューション開発支援プログラムといった各サポートも提供する。
このプログラムに参加しているベンダーの1つが、企業が保有する在庫削減をはじめとしたSCMの最適化を図るソフトウェア「φ-Conductor Series」を提供するフェアウェイソリューションズだ。φ-Conductor(ファイ・コンダクター・シリーズ)を開発するにあたり、「何よりも使う人の気持ちに立ったユーザーインタフェース(UI)の構築に力を入れた」という同社の柴田隆介氏に話を聞いた。
柴田氏は、京都大学工学部原子核工学科出身で、1976年にエルム(現ウッドランド)を設立。1996年にウッドランドが店頭公開し、2000年に退職。自ら開発したソフトウェアであるφ-Conductorの販売会社としてフェアウェイソリューションズを設立した。
「φ-Conductorは少し毛色が変わったソフトウェアだが、IBMの担当者はしっかりと理解し、評価しようとしてくれており、ありがたいと感じている。技術面のサポートもしっかりしており、われわれの技術者が次第にIBMびいきになっている」(柴田氏)
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