SEが心得るべきB2Bミドルウェアのこれからミドルウェアがシステムの品質を決める(4/9 ページ)

» 2005年05月23日 03時36分 公開
[藤野 裕司(DAL),ITmedia]

 では、EDI、EAIに必要な6つの機能をもう少し詳しい説明を加えよう。

通信機能

 現在、EDIでは多くの通信手順が用いられている。本来ならどれかひとつあればいいはずだが、いろいろな業界でいろいろな経緯のもとに開発されたため、以下のように多数の手順が利用されるようになった。

1.レガシーEDI手順

 ・JCA手順。1980年、流通業界で制定された。古い手順ではあるが、流通業界ではまだ利用されている。

 ・全銀手順。1983年、全国銀行協会連合会(現全国銀行協会)で制定された。汎用的であったためほとんどの業界に広まった。古い手順ではあるが、まだ利用されている。

 ・全銀TCP/IP手順。全銀手順の後継として制定された手順。古い全銀手順を改良して作られ、JCA・全銀手順から置き換わりつつある。相手先・データ認証機能やデータの整合性チェック機能なども持っており、企業間データ交換のみならず社内ファイル転送にも適している。また、TCP/IPベースではあるが、暗号化ができないためインターネット上では利用できない。

2.インターネットEDI手順

 ・ebXML。次世代EDIの本命として登場したインターネットベースの国際EDI標準。アジアを中心に普及が始まろうとしている。

 ・RosettaNet。米国発祥の電子機器業界向けEDI標準。業務の標準も含んでおり、国や企業により対応に温度差が感じられる。

 ・E-mail。インターネットE-mailにファイルを添付してデータ交換を行う。メールの追い越しや迷子が発生するため、不安定な要素を持つ。システムが安価に構築できるため、中小規模のEDIでは注目されている。

 ・FTP。システム的に不安定な要素が多く、EDIに向いているとはいいがたい。多くのプラットフォームに対応しているため、社内のファイル転送にはよく使われている。

 ・OFTP。フランスの自動車業界が発祥のFTPをベースとした通信手順。欧州を中心に利用を呼びかけられたが、世界的広がりを見せているわけではない。

 ・ベンダー独自手順。EDIソフトベンダー各社が、独自色を出しインターネットEDIを目指して開発を進めている手順。各社の独自方式であるため、そのベンダー製品間でしか接続できない。

3.その他手順

 日銀RTGS手順。日銀の決済システムに接続するための手順。

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