NetAppはミッションクリティカルで使える?NetApp Focus 2005

「顧客のデータを格納すDBとストレージが最も大切」とNTTデータの山田氏。NetApp Forcus 2005の基調講演で、NetApp製品の評価を語った。

» 2005年05月27日 15時14分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 NetAppは大規模ミッションクリティカル環境で使えるか? 日本ネットワーク・アプライアンス(ネットアップ)が5月27日に開催したプライベートイベント「NetApp Focus 2005」で、NTTデータビジネス開発事業本部長の山田伸一氏が基調講演を行った。

 NTTデータは2002年からNetApp製品の検証を開始し、昨年7月にはネットアップへ出資を行うまでにいたっている。詳細な検証を行ってからでなければ、ポートフォリオに加えないといったポリシーを持っている同社だが、中でも「顧客のデータを格納することになるデータベース(DB)とストレージが最も大切と考えている」という。

山田伸一氏 NTTデータ 取締役・ビジネス開発事業本部長の山田伸一氏

 「2002年当時は、私もNFSの上でDBを動かすなんてとんでもないと思っていた」(山田氏)。2002年9月に米NetAppのユーザー企業の訪問調査を開始し、ミッションクリティカル分野での2年の実績と、運用段階でのコストが低いこと、Oracleと連携したサポート体制をユーザーが評価していたことから、NTTデータでのポートフォリオへの組み入れ計画をスタートさせた。

 「基幹システム向けはサーバベンダーが一緒にストレージを持ってくることが多いが、ネットアップはそうでない。我々が基幹計システムでの検証をする必要があった」(同氏)

 信頼性・可用性、性能保証、運用性・保守性、開発効率――の点で評価を実施。「少し難しいだろうと思うメニューを用意し、評価を行っていった」。2002年当時では、11件の要件項目のうち、満足できるレベルのものは2つしかなかったものの、現在ではお互いにノウハウも蓄積され、ほぼすべての点で満足できるところまで解決。「安心して使えるようになってきた」という。

 特に、ネットアップ製品のOS「DataONTAP」のバグに対する対応の速さに言及して、評価した。その一方で、製品自体は仕様どおりで単体としては問題ないが、システムとして構築する場合に、ベンダー間でつながらない場合があると苦言も。「ネットアップばかりにいえることではないが、今後の課題としてベンダー間の連携を強化していく必要がある」と指摘した。

 全製品で1OSという統一されたアーキテクチャや、マルチプロトコル対応といった柔軟性、SnapshotやFlexCloneを利用した容易な環境切り替えによる開発効率性が魅力と話した山田氏だが、「今後はさらなる検証により、ミッションクリティカル業務への適用に期待をかけたい」という。

 新製品のミッドレンジストレージ「FAS 3000」シリーズについても、「FC/SATAの両方に対応できるため、案件に応じて使い分けられる。ソリューション化にあたって、性能・可用性検証を行って、それぞれ最適な提案領域を見つけていきたい」と話した。

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