B2Bミドルウェアの新しい使命SEをサポートするミドルウェア(1/6 ページ)

ebXMLとWebサービスなど、システム間連携に必要となる技術が担う今後の使命を考える。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

» 2005年05月30日 09時12分 公開
[藤野 裕司(DAL),ITmedia]

  藤野 裕司(データ・アプリケーション 上級コンサルタント)

 前回は、「B2Bの世界でEDIとEAIは融合しつつあり、ユーザーからはひとつに見えることが重要であること」、そしてそれを実現する「ミドルウェアが持つべき共通の機能」について説明した。

 今回は、「企業間・企業内のデータの流れがシームレスになった上、インターネットの高速・大容量化により、B2Bがどのように変わろうとしているか」を述べて、本シリーズの締めくくりとしたい。

現在のEDIはファイル転送型とWeb型の2の流れ

 まず、現在のEDIを整理してみよう。日本におけるB2Bは1970年代の後半から始まり、「コンピュータにより企業間の業務を自動連携する」ファイル転送型のEDIで発展してきた(図1)。

 ところが、1990年代中頃にインターネットが登場し、その形が大きく変わろうとしている。1990年代後半から始まったWeb型のEDIがそのきっかけだ。これはファイル転送のようなバッチ自動連携処理と異なり、オンライン対話形式の処理が前提となる。また、キーやボタン操作によりファイル転送が可能なことでも注目されている。

 WebEDIは当初公衆回線のダイアルアップ接続で行われており、使用料が高い・速度が遅いなどの理由で普及が限られていた。しかし、ここ数年、ブロードバンドの発達により高速かつ安価に実現できる環境が整ってきた。そこで急激な普及を始めたのである。サーバにWebアプリケーションシステムを構築し、クライアントのブラウザからアクセスする(図2)。つまり、クライアント側では高価なシステムを導入することなく簡単にEDIを実現できることが普及の大きな要因となった。

 その結果、現在ではEDIに2つの流れができている。1つはシステムが自動連携しあうファイル転送型のEDI、もうひとつは手動操作を前提とするWeb型のEDIである。

 では、この延長線上に考えられる次のEDIは何だろう。

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