Interop Tokyo 2005開幕、「ユビキタスネットワークが社会を強くする」とNEC金杉氏

Interop Tokyo 2005の基調講演において、NECの金杉明信社長は、この10年のインターネットの発展によって産業や企業が変化していると述べた。

» 2005年06月08日 18時44分 公開
[ITmedia]

 「インターネットの発展により、世の中はかつてないほどのスピードで変化した。コンシューマーが牽引する変化により、企業、産業もまた変化し、新しい産業が創出されるチャンスが生まれている」――。

 6月8日、Interop Tokyo 2005の展示会がスタートした。この日最初の基調講演において、NECの代表取締役執行役員社長にしてインターネット協会の理事長を務める金杉明信氏はこのように述べた。

 金杉氏は、インターネットの普及や進化によって、e-ライブやe-ビジネス市場が拡大しており、それを指させる強固かつ柔軟なインフラが必要になっていると指摘。その要素としていわゆるネットワークの整備やモバイルネットワークの進化、さらには光、GMPLS技術を活用した次世代ネットワーク技術を挙げた。合わせて、こうしたインフラの上で多様なサービスを提供するための「サービスプラットフォーム」も必要という。

 そして、これにともない「従来はハードウェアとソフトウェア、通信というICTの枠組みに加え、e-ビジネスやe-ライフ、サービスプラットフォームを含んだ新しいICT産業構造が生まれてくる。その中で新しい企業、ベンチャー企業も登場してくるだろう」と述べた。

 金杉氏はまた、ユビキタスネットワーク時代においては、業界全体というマクロ的な変化だけにとどまらず、企業活動にもさまざまな変化がもたらされると指摘。「消費者に近いところの企業活動に始まり、ゆくゆくはCRMやSCMといったバックエンドや企業間プロセスにも影響があるだろう」と述べた。

 ただ、こうした変化が現実のものとなるうえでは「安心、安全」が欠かせないとも。そのために、政府の情報セキュリティ基本問題委員会による第二次提言が示すとおり、重要インフラにおける情報セキュリティ対策が必要なほか、産官学の連携した取り組みによって脅威を克服していく必要があると述べた。

 その課題が克服されれば、「ユビキタスネットワークによって社会も経済も、個人も強くなる」(金杉氏)。

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