一歩先を行くSEの「頭の使い方」を考える。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)
山崎 将志(知識工房 代表取締役)
私の事務所の近所にある本屋には、論理的思考力に関する書籍のコーナーが設けられている。「ロジカル・シンキング」「クリティカル・シンキング」「論理力トレーニング」などなど30種類以上置いてある。それほど大きな本屋でもないのに、これだけのスペースが確保されているということは、それだけ世の中の関心が高いトピックであるということだ。
一般論として、一定水準以上のSEは論理的であると思う。ロジカルじゃないと、システム設計はできないし、プログラムのバグもつぶせない。そんなSEの方々に、なぜ今さら「論理的思考力」なのか。
ちょっと1分ほど時間をとって、以下の問題を解いてもらいたい。
金貨が8枚ある。そのうち1枚はニセモノだ。
ニセモノはホンモノよりも少し軽い。
どれがニセモノかを知るために、最低何回天秤を使えばよいか。
答は2回だ。簡単なパズルなので、SEの方ならすぐに解けた方も多いだろう。有名なパズルなので、既にご存知だったかもしれない。ちなみに、解説は本稿最後に掲載してあるので、参考にしていただきたい。
とは言え、別に解けないからといって、がっかりする必要はない。私がここで論じようとしている「論理的思考力」とは、この手の論理パズルの解き方ではないからだ。論理パズルが解けるかどうかというのは、「論理思考」というより、むしろ「発想法」、あるいはその下位概念である「問題解決法」の領域である。これについては、次回詳しく述べることとし、ここでは論理思考を掘り下げたい。
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