イー・トレード証券がIPコンタクトセンターを構築

イー・トレード証券は、シスコシステムズが提供するコンタクトセンターソリューションを導入、稼動を開始したことを明らかにした

» 2005年07月14日 17時21分 公開
[ITmedia]

 イー・トレード証券は7月14日、シスコシステムズが提供するコンタクトセンターソリューションを導入、稼動を開始したことを明らかにした。また、導入をソフトバンク・テクノロジーが行った。同システムにより、イー・トレードは、コールセンターの顧客サービス向上と効率化の実現を目指す。

 導入されたのは、シスコのコンタクトセンター向け製品「Cisco IP Contact Center Enterprise Edition」(IPCC)。また、ソフトバンクテクノロジーは、IPCCの販売パートナーという位置づけで、証券会社のコールセンターというクリティカルなシステムに対するコンサルティング、設計、開発、導入、稼動までを一貫して担当した。

 従来、イー・トレード証券のコールセンターでは、顧客からの電話を「注文系」と「問い合わせ系」別々のグループに分けて対応していた。しかし、この方式では、両方の業務に対応するスキルを持つオペレータが、どちらか一方しか担当できないという非効率な状況にならざるを得なかった。また、顧客を待たせる原因になるなど、サービスの観点からも問題があったという。

 今回稼動を開始したIPコンタクトセンターでは、これらの問題を解決するべく、各オペレータのスキルにあわせてコールを着信させるようにした。そのため、迅速で適切な応答が可能になり、顧客サービスを向上できるようになったという。

 さらに、イー・トレード証券は「IPCC」の導入に先駆けて、六本木本社にシスコのIPテレフォニーを導入。通話コストの削減や、成長を続け変化する組織やオフィスレイアウトに柔軟に対応できる環境を構築した。六本木本社では、ソフトバンク・テクノロジーが開発したIP電話アプリケーション「CallStyle Desktop Commander」を導入、熊谷コールセンターとの内線通話や、顧客への応対時間の短縮により、生産性の向上を図る。

 具体的には、全面的にネットワークをIP化することにより、通信速度とネットワークセキュリティを向上させた。また、各サーバやVoIPゲートウェイなど、重要な機器はすべて二重化し、障害時は自動的にサービスが切り替わるような構成をとった。

 WAN回線も冗長化されており、データ系、音声系のどちらか一方のWANに障害が発生した際は自動迂回されるように構成したという。

IPコンタクトセンターのシステム構成図

 イー・トレードは今後、導入したIPCCによって、新たなコールセンターを構築したり、急激な顧客増加にも柔軟に対応できるという。またIPCCと連携するCRMシステムの構築により、着信と同時に顧客の属性情報がオペレータの画面にポップアップされるしくみや、IVR(音声自動応答)システムで注文を受けるといった仕組みの構築も視野に入れるとしている。

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