「つくばエクスプレスのWiFiトレインがワークスタイルを変革する」とIntel副社長Interview(2/2 ページ)

» 2005年07月14日 23時03分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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デービス 先ず、製品の新しい用途や需要を創造する狙いがあります。また、行政や公共機関に対して技術のプロバイダーとしてだけでなく、アドバイザーとしての役割も果たしたいと考えています。例えば、WiFiからWiMAXへ移行する段階で共存させたい場合もあるでしょう。Intelであれば、アーキテクチャーを示して支援することができるはずです。

 また、われわれは100を超える国々で事業を展開しており、さまざまな経験があります。先ごろも、欧州・中東・アフリカ地域の20カ国の大臣をアイルランドに招いてフォーラムを開催し、アイデアを交換したばかりです。

WiFiトレインから訪問先へ直行

ITmedia つくばエクスプレスでのトライアルは、どのように発展するのでしょうか。

デービス 当初、実験はつくばエクスプレスの9つの駅でスタートしますが、年内には20のすべての駅に拡大します。また、限られた編成ではありますが、車両内でもインターネットアクセスできる「WiFiトレイン」を走らせることになります。

 日本のビジネスマンは多くの時間を通勤に費やしています。オフィスだけでなく、電車の中でも高速接続できれば、仕事は効率良く行えるようになるでしょう。郊外から都心に向かう電車から、その日に訪問する顧客に関する最新情報にアクセスし、直接客先に出向くことで、1日当たりに訪問できる顧客数も増えるはずです。ホットスポットもあるので、「あなたのオフィスは街」と言えるようになるでしょう。

ITmedia 良い事例があれば紹介してください。

デービス British Gasは、パナソニックの「Toughbook」ノートPCをサービスエンジニアに配布し、これまで紙ベースで渡していた作業指示をホットスポットからダウンロードできるようにしました。オフィスに寄らずに客先に直行できるため、1日7〜8軒だった訪問先が9〜10軒に増えたということです。

 また、GEはエアコンの修理を行うエンジニアへの作業指示をデジタル化したことでサービスの効率化を図っています。従来は分厚い機種ごとのマニュアルを持ち運んでいたのですが、必要な個所をダウンロードできるようにしています。Intelが推進する技術が、ワークスタイルを根本から変える良い例であり、こうした技術がデジタル・シティの基盤になるのです。

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