どうする? SCO(2/2 ページ)

» 2005年07月21日 17時16分 公開
[Steven J. Vaughan-Nichols,eWEEK]
eWEEK
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 サンフランシスコの法律事務所Howard Rice Nemerovski Canady Falk & RabkinでIP(知的財産)訴訟を専門に扱うサイモン・フランケル氏は、2002年のデビッドソン氏の電子メールについて、「この重要な訴訟において注目すべき展開となる可能性がある」と語っている。

 その理由は次の通りだ。「この電子メールは(少なくとも表面的には)、SCOの社内調査の結果、LinuxのソースコードにはUNIX関連の知的財産が含まれていなかったことを示している。電子メールの内容が本当だとしたら、SCOの主張の基本的な前提が大きく揺らぐことになるだろう」

 確かに、その可能性があると思う。

 その結果、SCOは窮地に追い込まれる可能性があると筆者は考えている。というのは、UNIX/Linuxの著作権をめぐってSCOを提訴したRed Hatが訴状の中で、SCOがランハム法(連邦商標法)に違反したと主張しているからだ。

 法律専門家でない人(筆者もそうだが)のために付け加えておくと、ランハム法には虚偽広告に関する規定も含まれている。

 Red Hatの申し立てによると、SCOはLinuxの著作権に関して意図的に虚偽の主張を行ったとしており、これはRed Hatのビジネスを妨害しただけでなく、そのような主張をすることによって、SCO自身のUNIX OSの販売および同社のUNIXのIPのライセンスを推進したという。

 デビッドソン氏は、LinuxはUNIXに関する著作権を侵害していないと述べているだけではない。「Linuxを利用している企業ユーザーに対し、当社の著作権を侵害するコードを使っていることが明らかになった場合に備えた一種の『保険』としてライセンスを販売するというのが当社のアイデアの一部だった」と同氏は記している。

 筆者は法律の専門家ではないが、これらのメモは、Red Hatの訴訟に対するSCOの防護に大きな穴を開けたように思われる。これは、同社を沈没させるほど巨大な穴だ。

 ひょっとすると、SCOは実際に、著作権を立証するための切り札を隠し持っているのかもしれない。しかしこういったメモが公表されてしまったからには、SCOはその主張を裏付けるものを早く示したほうがいいだろう。でないと、遅かれ早かれRed Hatの訴訟に敗れることになるだろう。

 IBMとの争いに関して言えば、以前にも述べたように、IPに関するSCOの主張には根拠がないと思うが、失敗に終わった「Project Monterey」をめぐる契約問題では勝てる可能性が少しはあると考えている。

 しかしRed Hatとの訴訟はどうなるのだろうか。もし筆者の予想通りの展開になれば、SCOが2007年に法廷でIBMと対決するまで存続することはないだろう。

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