問題の原因を突き止めろ!ITILを深める! サービスサポート編(2/3 ページ)

» 2005年07月27日 08時08分 公開
[インフォリスクマネージ,ITmedia]

 問題管理には、インシデント発生時に分析を行う「リアクティブな問題管理」と、インシデントが発生する前に問題を識別し、発生を予防することを目的とした「プロアクティブな問題管理」の2つに大別でき、原因そのものを解決する「問題コントロール」と、変更の実装が終了して既知のエラーが排除されるまでの処理を範囲とする「エラー・コントロール」が活動範囲に含まれる。

 問題やエラーの識別/診断/評価/分類/記録だけでなく、それぞれが問題なく機能しているかどうかを以下のように追跡、監視することが非常に重要である。単にルールや方法を決めるだけではなく、常に監視を行うことで、品質の向上と責任の所在が明らかになるわけである。

図2 問題管理のフロー

問題管理を取り入れるコツ

 問題管理のプロセスを導入する場合の懸念となるのは、「コスト」と「エンジニアリソース」であろう。特にエンジニアリソースの不足は深刻で、原因を究明し誰でもが利用しやすいドキュメントを作成できるエンジニアというのは非常に少数である。多くの企業は優秀なエンジニアが慢性的に不足しており、採用もままならないのが現実である。売上を優先するために開発業務や、外部に常駐するプロジェクトマネジャーに従事していることも要因の1つといえる。

 目に見えるコストとしては、ITIL準拠といったツールの導入に一番コストがかかる場合が多い。ツールだけでITILの導入は出来ないが、ツールを活用することでITILの導入がスムーズになることも事実である。

 問題管理には「リアクティブな問題管理」と「プロアクティブな問題管理」に大別できると述べたが、これから問題管理のプロセスを導入する場合には、「リアクティブな問題管理」からスタートすることをお勧めする。プロアクティブな問題管理は、インシデントの発生を「防止」することが目的のため、トレンドの分析や潜在的な問題の調査、予防措置の特定を行うためには豊富なエンジニアリソースがないと難しいからである。

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