OOoの表計算「Calc」とExcelを互換検証OOo 2.0が変えるオフィスアプリ基準 第3回(3/4 ページ)

» 2005年07月27日 14時40分 公開
[可知 豊,ITmedia]

 Calcの数式は、Excelと細かな違いがあるが、数式ウィザードを使えば、自動的に正しい数式を組み立ててくれる。

 なお、CalcとExcelの関数の互換性については、次の関連リンク先が詳しい(関連リンク)(関連リンク)

 合計を計算するには、数式バーの「オートSUM」ボタンをクリックする。これで、隣接するセルを合計する数式が自動入力される。入力した数式は、セルの右下の「■」をドラッグするオートフィルでコピー可能だ。この辺りの操作は、Excelとまったく同じだ(下画面)

画面■「オートSum」で合計を計算する。Excelと同じ操作で合計計算が可能

 数式バーの「fx」ボタンをクリックすると、数式ウィザードが起動する(下画面)。ここでは、Average関数で平均を求めてみよう。ウィザードの指示に従って、関数と引数を設定していくだけでいい。Excelの関数では引数の区切りに「,」(カンマ)を使うのに対し、Calcでは「;」(セミコロン)を使用するという違いがある。しかし、関数ウィザードを使うのであればこの違いを気にすることはない。

画面■関数ウィザードで数式を組み立てる

ファイル互換性の検証

 今度は、CalcとExcelのファイル互換性を検証してみよう。しかし記事構成の関係上、すべての機能を試すことはできないので、データ、書式、数式についてテストする。それぞれ、OOo2.0(1.9.m104)とExcel 2003で作成し、相互に読み込んでみた。サンプルファイルを公開しているので、ぜひ実際に試してほしい(記事内サンプルファイルアーカイブ:136KB)

 下画面のように、まずCalc上で数値や日付、通貨を入力したファイルを作成した(サンプルファイル:C_test1_OOo2MS.pdf)。説明用テキストは、「セルの結合」と「テキストを自動的に折り返す」を設定してある。また、単純な数値データを元に、合計(Sun)、平均(Average)、四捨五入(Round)を計算した(下画面)。今日の日付けを求めるには、Today関数を使用した。また、2つの日付の期間を求めるには、単純に2つの日付けデータ(シリアル値)を引き算している。

画面■OOoで作成したテストドキュメント。簡単なデータと数式を配置している(C_test1_OOo2MS.ods)

 以上の操作でドキュメントを「Microsoft Excel97/2000/XP(.xls)」形式で保存し、Excel 2003に読み込んでみた(下画面)。まず、「セルの結合」は再現されたが「テキストを自動的に折り返す」は再現されなかった。

 また、セルの背景色を設定した場合、フォントの色が「自動」になっていると黒色になって埋もれてしまった。データの欠落はないが、日付を設定したセルは書式が無くなってしまい、シリアル値だけが表示された形だ。また、日付、時刻のセルも書式が異なっている点も気になる。関数については、引数の区切りの違いは、自動的に変換された。

画面■OOoで作成したドキュメントをExcelに読み込んだ。フォント色を自動にしておくと、背景色に埋もれてしまった。また、日付書式がシリアル値になった(C_test1_OOo2MS.xls)

 続いて、同じようなドキュメントをExcel 2003で作成した。こちらでは、ふりがな関数の変換状況を確認するため、PHONETIC関数を追加している(下画面)

画面■Excelで簡単なテストドキュメントを作成した。ふりがな関数を追加してある(C_test1_ms2OOo.xls)

 以上のドキュメントをCalcに読み込んだところ、次のようになった(下画面)。まず、テキストの表示などには問題はなかった。「セルの結合」「テキストを自動的に折り返す」も再現された。しかし日付データは、表示されたが書式が一部変わっていた。

 関数については、引数の区切り記号が自動的に変換され、正常に表示された。ただし、ふりがな関数は変換されず「#NAME?」エラーとなっていたことが分かる。

画面■Excelで作成したドキュメントをCalcに読み込んだ。Calcはフリガナ関数を持たないため、その数式がエラーになる(C_test1_ms2OOo.ods)

グラフ機能を比較する

 最後にグラフ機能について比較してみる。ここでは、CalcとExcel 2003で簡単な複合グラフを作り、相互に読み込んでみた。

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