アイログ、JRulesとOracle BPEL Process Managerを統合

ソフトウェアコンポーネントを提供するアイログはILOG JRulesとOracle BPEL Process Managerを統合し、日本での販売を開始することを明らかにした

» 2005年07月29日 16時52分 公開
[ITmedia]

 ソフトウェアコンポーネントを提供するアイログは7月28日、ILOG JRulesとOracle BPEL Process Managerを統合し、日本での販売を開始することを明らかにした。JRulesはアイログのBRMS(ビジネスルール管理システム)製品群の中心となるエンジン。両社のグローバル契約に沿った取り組みとなっている。

 JRulesをOracleに統合することにより、企業において業務担当者がIT担当者に頼ることなく、OracleのBPMアプリケーション内で、業務における定義や 制約、規制の記述などの各種のポリシーを作成、編集することができる。自然言語を使えることも特徴となっている。

 2つの製品を組み合わせることにより、企業は、変化するビジネス環境や政府による規制に柔軟に対応できるという。また、ライバル企業の動きにもすばやく対応することができるとしている。特に金融、保険、政府機関、テレコム、小売、製造の業界での効果を見込んでいるという。

 具体的に、JRulesはOracle BPEL Process Manager上で「判断機能サービス」 として機能し、ビジネスルールやルールセットを複数の業務プロセスから得られる再利用可能なサービスとして配信する。これにより、SOAによるシステム構築をサポートできるという。

 一方、米ILOGのブンタラ・イングCOOは、「BRMSはBPM(ビジネスプロセス管理)とSOA に不可欠な要素」と強調する。BRMSをアプリケーションに導入することにより、ビジネスプロセスの各段階の制約や規制を定義するビジネスポリシーの管理機能をアプリケーションから切り離すことができるという。結果として、アプリケーションでポリシーを変更する際に、コーディングが必要なくなるとしている。

来日したイングCOO

 また、BRMSを基盤とする判断機能サービスを通じて、ポリシーの管理をSOAの一部として実行できるようになることも、変化を続けるビジネス環境に応じて継続的にプロセスを変更する環境を構築するためのカギになるという。一方、業務担当者の手でアプリケーションを保守できることにより、コスト削減にもつながるとしている。

 ILOGは、今回のOracleのほかにも、BEA、EMC-Documentum、FileNet、富士通、IBM、などの製品に、エンジンを提供している。

 来日したイングCOOは、日本市場について、「世界の有力企業が集まる重要な市場」と話す。ソフトウェアによる業務の自動化や可視化、柔軟性の確保は今後の企業の情報システムのカギになるため、BRMSをはじめとする同社のソフトウェアコンポーネントが従来以上に重要になるとして自信を見せる。

 また、米国のITにおけるキーワードとなっているコンプライアンスについて、日本でも企業に対応が求められるようになってきており、ビジネスルール定義を柔軟に行えるようにするILOGが活躍する場が広がるとも話した。

 同社は、6月にロジスティック産業向けのパッケージコンポーネントの提供を開始しており、今後はほかの業界向けにも同様の取り組みを行う予定だ。また、日本でのパートナー企業とのビジネス展開も積極的に行う予定としている。

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