4〜6月期のチップ出荷競争で熱戦を演じたIntelとAMD

AMDは4〜6月期、サーバプロセッサの出荷を大幅に伸ばしたものの、x86チップ市場全体でのシェアはわずかにダウンした。MSによるXbox用のIntelチップ大量購入が影響(特集:64ビットコンピューティング最前線)。

» 2005年08月02日 17時46分 公開
[John G. Spooner,eWEEK]
eWEEK

 Advanced Micro Devices(AMD)は4〜6月期、サーバプロセッサの出荷を大幅に伸ばしたものの、x86チップ市場全体での同社の出荷シェアはわずかにダウンした。

 Mercury Researchが8月1日に発表したデータによると、Intelが4〜6月期にシェアを0.7ポイント伸ばしたのに対し、AMDのシェアは0.7ポイント低下した。両社のシェアの増減は、1〜3月期とは逆になった。

 従来からx86チップの出荷量で8割前後のシェアを確保してきたIntelは4〜6月期、82.3%のシェアを獲得した。AMDのシェアは16.2%だった。両社の1〜3月期の出荷シェアは、それぞれ81.6%と16.9%だった。x86チップ市場の残りのシェアは、VIA Technologiesなどのチップメーカーによって占められている。

 Mercury Researchの主席アナリスト、ディーン・マカロン氏によると、4〜6月期のシェアの変化を促す要因となったのはMicrosoftであり、企業やコンシューマーの購入パターンの変化によるものではないという。

 「Microsoftのゲーム機であるXboxは、現行機種の製品寿命が終わりに近づいており、同社はXbox用のIntelチップを大量購入した」とマカロン氏は話す。これによって販売に弾みがついたIntelは、4〜6月期の利益が大幅に増加したことを明らかにした。

 旧タイプのCeleronチップをベースとするプロセッサを搭載するXboxは、過去数四半期の間、x86市場にほとんど影響を与えることがなかった。しかしマカロン氏は、Microsoftが4〜6月期に大量(数百万個の可能性もある)のIntelチップを購入したとみている。これは、11月に登場予定の後継機種「Xbox 360」の投入準備が完了するまで、現行のXboxの生産を続けるためだという。

 「もしこれがなかったら、市場シェアに大きな変化はなかっただろう」と同氏は話す。

 Mercury Researchは7月、x86サーバプロセッサの出荷でAMDが初めて10%を超えるシェアを獲得したと発表し、人々を驚かせた。同市場はこれまで長い間Intelの支配が続いていたため、AMDにとってこれは快挙だと言える。

 しかしマカロン氏によると、市場全体で見れば「Intelがわずかに盛り返した」という。

 「AMDのシェアはやや低下した。だがAMDはサーバ向けチップの出荷数を大きく伸ばした。その結果、(サーバ向けのチップはデスクトップやノートPC向けのチップよりも一般に高価であるため)AMDの売上高が増加した」(同氏)

 しかし、AMDがサーバ分野で4〜6月期の勢いを維持できるかどうかは不明だ。これはひとえに、AMDのOpteronプロセッサの顧客であるIBM、Hewlett-Packard、Sun Microsystemsなどのメーカー、ならびにその顧客企業から継続的支持が得られるかどうかにかかっている、とマカロン氏は話す。

 x86市場全体では1〜3月期から4〜6月期にかけてシェアを落としたAMDだが、昨年同期と比べると、わずかながら前進した。マカロン氏によると、2004年4〜6月期のIntelの出荷シェアが82.9%だったのに対し、AMDのシェアは15.1%だった。

 つまり、昨年同期比でAMDの出荷シェアが1.1ポイント増加する一方で、Intelのシェアは0.6ポイント減少したことになる。

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