実証済みのLAMPソリューションを提供する新興企業各社(1/2 ページ)

いくつかの新興企業が、BIやETLなどの機能を実現する複数のオープンソースアプリケーションを組み合わせた実証済みのソリューションをリリースした。

» 2005年08月04日 20時35分 公開
[IDG Japan]
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 各種のオープンソースアプリケーションを連携するのが困難なために、プロプライエタリ製品のほうに路線を転換したベンダーもある。その一方で、このタスクに取り組んでいる数社の新興企業が今週、実証済み既製ソリューションを提供する計画を明らかにした。これにより、連携にまつわるユーザーの頭痛が軽減されるという。

  GreenplumJasperSoftKinetic Networksは8月3日、BIレポート生成、データウェアハウジング、ETL(Extraction、Transformation、Loading)を組み合わせたソリューションを提供するために提携したことを明らかにした。一方、ActiveGridは、同社のフラッグシップとなるパッケージング済みのLAMP(Linux、Apache、MySQL、Perl/PHP/Python)製品をリリースした。

 GreenplumとActiveGridはいずれも、オレゴン州ポートランドで開かれたO'Reilly Open Source Conventionにおいて、自社製品の詳細を説明した。SourceLabsも8月2日、「SASH Stack for Java」という製品を発表した。

 Burton Groupのアナリスト、アン・トーマス・メーンズ氏は、「パッケージング済みのソリューションは、オープンソースを受容できる市場の範囲を大幅に広げるだろう。多くの企業は、“生の”オープンソースプロジェクトを管理するのに必要な技術的知識や専門スタッフを持っていない」と話す。

 メーンズ氏によると、成功したオープンソースプロジェクトの多くでは、何らかの営利組織が絡んでおり、これらの組織が既製のソリューションや専門的サービスなどを提供しているという。

 「Linux、MySQL、JBossなどがその好例だ」(同氏)

Pfizerも採用

 Greenplumは、自社のオープンソースデータウェアハウス「Bizgres」を、JasperSoftのフロントエンド用BIレポーティングツール「Jasper Reports」およびKinetic NetworksのETLソフトウェアに連携した。

 これにより、企業が社内のデータウェアハウスから情報を引き出し、そのデータに対して分析を行い、そして最終的にそれをBIレポートという形でユーザーに配信することが可能なオープンソース環境が実現されるという。

 Greenplumのサム・モハマドCEOは、「ビジネスインテリジェンスは非常に複雑であるため、これまでは専門家しか扱えなかった。これを使いやすく、簡単にインストールできるようにして、しかも手頃な価格で提供するのがわれわれの目標だ」と話している。

 Pfizerのグローバル医薬部門では、ActiveGridの「Enterprise LAMP」の採用を決めた。同部門のグローバルアプリケーションアーキテクチャグループでディレクターを務めるマーティン・ブロッドベック氏によると、採用の決め手となったのは価格と使い勝手だという。

 ブロッドベック氏は現在、ActiveGridのLAMPスタック製品を使用しているが、同グループがオープンソース製品を採用するのはこれが初めてだという。価格と使い勝手もさることながら、ハイパフォーマンスアプリケーション向けに拡張可能だというのが最大の魅力だ、と同氏は話す。

 パッケージング済みの状態で提供されることにより、「LAMPスタックは自社内でサポートできるプラットフォームになる」とブロッドベック氏は付け加える。なぜなら「コンポーネント同士がどのような関係になっているのか把握しやすいからだ」という。

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