7分で分かる7月のBlog界dev blog/CMS(2/2 ページ)

» 2005年08月08日 07時45分 公開
[森川拓男,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 「livedoor Blog」では、当初6月20日から7月上旬で移行完了の予定だったが、約50%の移行が完了したのが7月22日、移行完了時期を8月8日と発表したのが7月29日になってからだった。多くのユーザーを抱えるライブドアが、サービスを継続しながら移行するのは思わぬ苦難があったようだ。無事に移行が完了することを望みたい。

 7月2日〜4日の予定で大幅なシステムバージョンアップを行った「アメーバブログ」は、3日にはサービスを再開した。ただし、その後もいろいろな不具合が発生し、8日には緊急メンテナンスも実施された。

 アイネットビーエスが提供するペット専用の無料ブログサービス「アセラBLOG」は7月14日、サーバ負荷分散作業を7月21日の10時〜18時にかけて実施すると発表した(関連記事)。アセラBLOGは、7月11日にレスポンス向上を目的としたサーバ増設作業を実施したばかりだった。

 シーポイントが提供する「てぃーだブログ」は7月23日、負荷軽減のため、記事のアクセス数の解析をリアルタイムから一日おきに変更した(関連リンク)。これにより、管理画面の表示スピードなどが以前にくらべ早くなったという。

ブログとリアル店舗のつながり

 ブログはあくまでもインターネット上のものだが、これを実際の店舗と結びつけたり、商品の販売へと誘導するための試みも行われている。

 7月26日、livedoor Blogは「スイーツdeダイエット」チーズケーキお試しモニター募集の告知を行った(関連記事)。livedoor デパートにて開発中の、ダイエット中でも思いっきり食べられるスイーツと連動した企画で、ブロガーにモニターになってもらって新商品の宣伝を行う試みだ。

 7月27日、紀伊國屋書店は書評ブログサイト「紀伊國屋書店書評空間 KINOKUNIYA BOOKLOG」を8月1日より開設すると発表した(関連記事)。プロの読み手が発信する書評ブログとリアル書店が運営するECサイトを結びつけたもの。

 本といえば、ブログの書籍化もいろいろあるが、日本一のトラックバック数を誇るタレント、眞鍋かをりのブログ「眞鍋かをりのココだけの話」がココログブックスより発売されることになった(関連リンク)。7月下旬に発売とアナウンスされていたが、本人のこだわりなどの理由から8月下旬へと延期されている。「ブログの女王」の異名を持つ彼女のブログがどのような形で出版されるのか注目だ。

 また、ブログ特化型の広告配信の流れも進んだ。

 7月13日にライブドアはサイバーエージェントとの業務提携を行い、ブログサービス「livedoor Blog」においてサイバーエージェントの提供するBlog特化型広告配信サービス「BlogClick」の配信を開始したと発表した(関連記事)

 7月22日には「Seesaaブログ」が三井物産株式会社が運営する広告配信サービス「LISTOP」のキーワード広告を導入し、配信を開始している(関連リンク)

リアルタイムコミュニケーションが始まっている

 ブログツール(ブログパーツ)は、ブログのサイドバーなどに貼り付けることでいろいろなことを実現するためのものだ。7月も新しいツールが登場している。

 「BIGLOBE」は7月28日、ブログやWebサイト上で音声読み上げやチャット機能などが利用可能なコミュニケーションサービス「ウェブリシール」の提供を8月1日から開始すると発表した(関連記事)。読み手がメッセージを送信するだけでなく、書き手がオンラインの場合は「ウェブリメッセンジャー」を通じてそのままチャットで会話できるというのは便利だ。

 livedoor Blogは7月25日、ニュースプラグインとポイント受取り(Point me)プラグインという2つの新たなプラグイン追加を実施した(関連記事)。Point meは、ブログを読んだ読者がブログ作者に対しLivedoor ポイントを送ることが可能なものだ。

 NTTコミュニケーションズが提供するBlogサービス「ブログ人」は7月12日、ケータイやWebカメラで撮影したムービークリップ(動画)をBlog上公開できる「FlipClip for OCN」の提供を開始した(関連記事)。利用料金は月額315円(税込)、7月中はスタートキャンペーンとして無料だった。また、同サービス利用の「相武紗季の本日のワレワレハ…」も12日に開設された。

 また、「関西どっとコムblog」は6月30日に、blogパーツの管理機能を搭載した(関連記事)。ユーザーのマイページのblogの管理メニューにある「blogパーツの管理」から利用できる。

ビジネスブログ利用、広がる

 ブログのビジネス利用はますます広がる傾向にある。

 GMOインターネットグループでサーバ関連事業を担うGMOホスティングアンドテクノロジーズは、サーバサイドブログツール「Movable Type」の利用普及を促進する活動の一環として「Movable Typeコンテスト 2005」を開催すると発表した(関連記事)。期間は2005年6月29日から9月16日まで。共催企業は、シックス・アパート、メディアカイト、ライトアップ、フィールド、グローブス、アロマネットの各社。このコンテストが個人事業主や企業へのブログ促進に向かうかどうかが注目だ。

 7月21日より日本ユニシス情報システムドリコムと提携し、インターネット接続サービス「U-netSURF」のオプションサービスとして「ビジネスブログ(ドリコムブログオフィス)」の提供を開始した(関連記事)。個人向けではなく企業/社内向けブログとして開発された「ドリコムブログオフィス」を採用することで、社員間のコミュニケーション/情報共有を支援するという。

 7月26日にはパワードコムがビジネスブログサイト「パワードコムブログ」を開設した。「パワードコムブログ −カスタマーディライトの道−」と題され、パワードコムが推進する“超顧客主義”が、実際のビジネスシーンでどのように実践されているかをブログ形式で紹介するという。

国産派生を歩むオープンソースCMSの今後

 XOOPSといえば、日本人を中心に開発されたこともあって、日本語を含むマルチバイト文字に対応したオープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)だ。日本語で利用できるというのは、多くの日本人ユーザーにとってとても重要なことだろう。そこで、CMSツールとしてのXOOPSは多くの日本人ユーザーを獲得した。

 しかし、英語圏での開発規模が大きくなったことで、日本語を含むマルチバイト文字への対応が軽視されてしまったという。これに対し、日本およびその他の国のユーザー向けに独自のバージョンを提供していくと発表し、7月18日に「XOOPS-JPプロジェクト」(仮称)が新プロジェクト名「XOOPS Cube」として決定された(関連記事)

 今後、本家サイトとの関係などどのように進んでいくかに注目したい。

MTに個人向けパッケージが登場

 サーバサイドのブログツールも見てみよう。

 シックス・アパートは7月4日、Movable Type 3.171日本語版の提供を開始した(関連記事)。6月9日に提供開始した3.17の不具合を修正し、より安定した運用を実現したものだ。

 また、7月22日には「Movable Type 3 個人ライセンスパック」の提供を開始している(関連記事)。ダウンロード販売のみだったものがパッケージ化されることで、販路も広がり、クレジット以外の決済も可能となる。今後、MTユーザーが広がるかどうかに注目が集まる。

 このほかのツールにも動きがあった。

 ブログツール「sb」の後継にあたるスクリプト「Serene Bach」ベータ版(beta01)が7月8日にリリースされた(関連記事)。Bachはバッチと読み、ニュージーランド英語で「簡素な小別荘」の意。リリース直後にはユーザーからバグ報告があり、翌9日には不具合の内容と対処法が案内されている。バグ対応のbeta02は7月12日にリリースされた(関連記事)

 アップルップルは、ブログツール「a-Blog v1.3」を7月11日にリリースした(関連記事)。今回のバージョンアップでも、インストール、各種管理、その他機能が大幅に改良された。なお、今回のリリースも、ライセンスごとの追加項目が異なり、目玉の1つパノラマムービーはビジネスライセンスのみの新機能となっている。

 ブログツール「P_BLOG」は7月15日、ver.1.0RC3をリリースした(関連リンク)

 ブログ型日記ツール「tDiary」は7月20日、主に脆弱性対策を目的としたバージョン2.0.2(安定版)と2.1.2(開発版)をリリースした(関連記事)

 CATWALKは7月18日、ポータルブログシステム「PwBlog(パワーブログ)」をメジャーバージョンアップして「PwBlog ver.2(パワーブログバージョンツー)」として正式販売を開始した(関連記事)。今回のバージョンアップでは、各々のブログに集積された情報にリーチするための窓口である「ポータル」機能を中心に機能強化を実現している。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ