Platform Computingがグリッドの基盤を開発中LinuxWorld

Platform ComputingはLinuxWorldで、エンタープライズグリッド上で動作する異種アプリケーションを集中管理するための新プラットフォームを紹介した。

» 2005年08月09日 18時02分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Platform Computingは、エンタープライズコンピューティンググリッドを構築するための基盤を作ろうとしている。

 サンフランシスコで開催中のLinuxWorldで同社は8月8日、開発中の新プラットフォームを紹介した。このプラットフォームは、エンタープライズグリッド上で動作する異種アプリケーションを集中管理するためのシステムを提供するという。

 Platformが開発中の「Platform Enterprise Grid Orchestrator(EGO)」は、自社のワークロード処理/スケジューリングソフトウェアである「LSF」および「Symphony」で現在使用している技術をベースとする。

 Platformのマーケティング担当副社長ボブ・シェクタール氏によると、EGOの狙いは、Platformの技術を開放し、パートナーが利用しやすい広範なプラットフォームを作成することだという。

 「コア技術を拡張し、その周囲にサービスを追加する作業を顧客と共同で進めている。この技術を企業のIT環境に配備しやすいようにするのが目的だ」とシェクタール氏は説明する。

 Platformでは、アプリケーションの連携を担当する開発者を支援するために、EGO用の無償ソフトウェア開発キットを年末までにリリースする予定だ。

 さらに同社は、EGOをベースとする最初の製品「Platform VM(Virtual Machine)Orchestrator」の開発も進めている。この製品は、異種混在ハードウェア/ソフトウェア環境において、リソースの割り当てとスケジューリングを自動的に集中管理する機能を提供する。

 「サーバに障害が起きると、OrchestratorはVMコンテナをつかんで、それをほかのリソースセットに移動することができる」とシェクタール氏は話す。

 このソフトウェアは11月にリリースされる予定で、価格は1ソケットに付き1600ドル。Platformによると、VM Orchestratorのβユーザーは、同製品について公に論評する準備ができていないという。

 カナダのオンタリオ州マーカムに本社を置くPlatform Computingは、創業13年の小さな企業で、株式は公開していない。同社の名前は、主として提携企業の製品を通じて知られている。

 Dellは、PlatformのLinuxクラスタ管理ソフトウェア「Rocks」を「Dell HPC(High Performance Computing)」クラスタに組み込んでいる。Platformは最近、Silicon Graphics(SGI)とも同様の契約を結んだ。SGIでは、Platform Rocksを組み込んだ「Altix 1350」クラスタを近く出荷する予定だ。

 IBM、SAS Institute、Cognos、IntelなどもPlatformの緊密なパートナーで、これらの企業はいずれも、自社のグリッドアーキテクチャを推進するためにPlatformと提携している。

 「当社は年商6000万ドルの企業であり、エンタープライズIT環境向けのグリッドプラットフォームをわれわれだけの力で完成させるつもりはない」(シェクタール氏)

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