「全然問題ないね」、協和エクシオがOracle BPEL PMを検証

日本オラクルは、ビジネスプロセス・マネジメント製品「Oracle BPEL Process Manager」(BPEL PM)に関して協和エクシオと協業。SOAのさらなる推進を目指す。

» 2005年08月09日 21時43分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本オラクルは8月9日、同日出荷したビジネスプロセス・マネジメント製品「Oracle BPEL Process Manager」(BPEL PM)に関連し、協和エクシオと協業すると発表した。協和エクシオが強みを持つ通信キャリア系のBPM、SOA案件を協力して獲得するのが狙い。

 協和エクシオのITソリューション事業本部 SI本部長 土井聡之氏は、自社で行ったBPEL PMの検証結果を紹介し、「性能面では全然問題がないね。何よりも価格が非常に安い」と述べた。

土井氏 協和エクシオのITソリューション事業本部 SI本部長 土井聡之氏

 BPEL PMはXMLベースのマークアップ言語「BPEL」を使い、業務プロセスの定義、サービスの結合、実行、モニタリング、管理などを行うためのツール、実行エンジン。オラクルの「Customer Data Hub」と連携し、データ統合を行うと同時に、プロセス統合を行ってSOA環境を構築できるという。機能的にはEAIツール、BPMツールと2つの側面を持つ。

 協和エクシオはBPEL PMのEAIツール、BPMツールのそれぞれの機能について検証を行った。EAIツールとしては「他社製品と比較しても遜色ない性能」。入力件数が9万件の場合で、1秒当たりのスループットは5000件以上になったという。

 また、CPU稼働率も「他社製品と比較して同等以下」で、入力件数に関係なく、常時40%前後で安定すると説明した。メモリは他社製品と同様に「非常に多くのメモリが必要」で、入力データ1MBの連携で600MBのメモリが必要になるという。土井氏はEAIツールとしてのBPEL PMについて「性能面では全然問題ない。十分活用できる」と話した。

 BPMツールとしても、WSDLの自動生成や自動公開機能、BPEL言語の自動生成機能、データマッピング機能、エラーハンドリング機能などがあり、「BPMツールとして十分な性能を満たしている製品といえる」と評価した。

 他社製品と比較した場合に、「標準装備のアダプタ数は若干少なめ」と土井氏は説明したが、アダプタベンダーのアイウェイ・ソフトウェア、Attunityが提供するアダプタを別ライセンスで使うこともできるため「実行上の問題はない」とした。

 協和エクシオが最も注目したのはBPEL PMの価格。他社のEAI、BPMツールが2000〜3000万円はするところ、Oracle Application ServerのオプションであるBPEL PMは125万円。Oracle Application Server Enterprise Editionと組み合わせても500万円で導入できる。「EAI、BPMツールが高額すぎて躊躇(ちゅうちょ)していた顧客でもこの価格なら導入できる」(土井氏)。協和エクシオでは初年度に20件のBPEL PM導入企業の獲得を目指す。

 協和エクシオはオラクルのミドルウェア製品を顧客に対して説明する施設「Oracle Fusion Middleware Center」を東京・渋谷に設置した。また、約70人いるEAI、BPM関連のエンジニアのうち、5人がBPEL PMに関する技術を修得。さらに2人が研修を受けている。通信事業者向けにオーダーマネジメントのデモシステムも構築した。

 協和エクシオは「現在、2〜3のSOAのプロジェクトを手がけている」(同社 第二エンタープライズソリューション部長 戸塚勝巳氏)。いずれもテレコム関係の案件で、1つは「ゼロからシステムを組んでSOA環境を構築している」といい、BPEL PMも製品選定に含める考えだ。

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