ラベルは「RSS」でなくてもいいんだ

MicrosoftがIE 7でRSSを「Webフィード」と呼んでいることが批判されている。しかしRSSは手段にすぎないのであって、ユーザーのデスクトップに表示される機能の名前でなくてもいいのだ。

» 2005年08月18日 15時14分 公開
[David Coursey,eWEEK]
eWEEK

 デイブ・ワイナー氏――あるいはほかの誰か――が何を考えていようと、「RSS」という言葉は普通のインターネットユーザーから見えるべきではないのだ。

 わたしがこう考えるのは、MicrosoftがInternet Explorer(IE)7の新機能でRSSの代わりに「Webフィード」という言葉を使っていることを、RSS発明者のワイナー氏などが非難しているからだ。IE 7には、サイトのRSSコンテンツを表示するボタンがついている。

 IE 7のβ版はWindows Vistaのβ1に搭載されている。このブラウザがリリースされるときには、Windows XPでも利用できるとMicrosoftは約束している。

 Microsoftの誰かが「Webフィード」の決定は確定ではないとほのめかすというミスを犯し、それがまたも声高な少数派の介入を認めてしまった。今のところ、わたしとしてはこの技術を表すのに「Really Simple Syndication」を意味するRSSという言葉を使うことに何ら問題はない。

 しかし、RSSは技術、つまり何かをするための手段にすぎない。ユーザーのデスクトップに表示される機能の名前でなくてもいいのだ。ほとんどの人がRSSを理解していない最大の原因は、おそらく間違いなく、その不可解な名前と、アプリケーションと密に統合されていないことにある。

 RSSをIE 7の一部にする際に、Microsoftはこの機能に「Webフィード」という親しみやすい名前を付けた。この名前はRSSよりもずっとうまくユーザーが目にするものを説明している。RSSは開発者だけが気に入りそうな名前だ。

 MicrosoftがRSSを「Webフィード」と呼び始めた後、Googleもそれに続いて「フィード」という言葉を使っている。Firefoxでは「ライブブックマーク」という言葉を使っている。

 RSSボタンがすべてなくなり、「フィード」ボタンに置き換わる日をわたしは心待ちにしている――願わくは、すぐにそんな日が来てほしい。もっとひどいのは、XMLボタンだ。これはそもそもWebサイト上に表示されるべきではなかった。

 この点を論じるため、RSS/Webフィードがそれほど便利ではないということには触れないでおく。古くさいけれど、わたしは新しいコンテンツを読者に知らせる手段としてはメーリングリストが好きだ。WebサイトのホームページのRSS版を見ると、それは同じ情報をグラフィックス抜きで、密度を低く(そして遅く)表示する方法でしかない。確かに広告も消えるけれど、それは続かないだろう。それに、そうあるべきではない。とは言え、広告主の売上から給料をもらっているため、わたしの見方は偏っているのだが。

 「RSSをRSSのままに」というムーブメントは、Microsoft(たぶんGoogleも)の動きを、ワイナー氏や大衆からRSSの支配権を何らかの形で奪おうとするものだと考えている。ワイナー氏自身、Microsoftの行動を「子供じみていて自滅的」と表している。だがそうではない。むしろ、Microsoftは技術の大衆化について、ワイナー氏らが明らかに見落としている何かを知っているのだ。

 Webフィードを実現させてくれ。

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