BEA、SOAの基盤となる新製品「AquaLogic Service Bus 2.0J」をリリース

日本BEAシステムズは、Aqualogicの新製品として、「BEA AquaLogic Service Bus 2.0J」をリリースすると発表した。

» 2005年08月23日 20時04分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本BEAシステムズは8月23日、SOAによるシステム構築を実現するための製品ファミリーであるBEA AquaLogicの新製品として、「BEA AquaLogic Service Bus 2.0J」をリリースすると発表した。複数ベンダーの製品が混在する環境でシステムを構築するSOA(サービス指向アーキテクチャ)において、サービスの構成や接続、管理を効率的に行うことが可能になる。

 一般に、SOAでシステムを構築するときの課題としては、ピアツーピア接続によるインタフェースの複雑化、サービス増加による再利用効率の低下、個々のサービス向けにセキュリティ対策やサービスレベル監視が必要になることなどが挙げられるという。それに対し、BEAは、サービスインフラストラクチャとしてAquaLogicを提供、インタフェースやセキュリティ対策、サービスレベル監視などを一元化することにより、システムの複雑化を回避し、柔軟性の確保を図る。

 また、いわゆるレガシーアプリケーションの機能をサービスとして再利用することを可能にすることにより、システム構築コストの削減を促すとしている。

 AquaLogicの製品ファミリーは、「Enterprise Security」「Data Service Platform」、そして、Service Busの3つで構成される。

 現状での具体的な利用例としては、顧客IDによるルーティングを行うプロキシサービスなどが挙げられる。グローバル企業において、アクセスしてきた顧客のIDを基に、米国、欧州、アジアの各顧客管理システムに処理を振り分けるためのプロキシサービスの構築だ。このとき、クライアント側からは、あくまでも統合された単一のサービスとして操作できるようにすることがポイントになるとしている。

 そのほか、サービスインスタンス間のロードバランス、セキュリティの集中管理、サービスレベル管理の集約化なども挙げられた。

 新製品であるService Busの機能は具体的に、メッセージルータと、サービスマネジメントの基盤という2つの側面に大きく分けられる。

 ユーザーは、メッセージの内容やヘッダに基づいてサービスを動的に選択し、ルーティングすることが可能になる。また、XQueryやXSLTに基づいてメッセージを変換したり、XMLデータと非構造化された非XMLデータなど複数の形式に対応してデータを配信することで、メッセージを連携させる。

 Service Busにおけるメッセージルータ機能においては、XQueryベースのポリシーに従ったルーティングや、Webサービスを用いた外部システムの呼び出しが可能になる。また、ルーティングのポリシーは、ポイント・ツー・ポイントと、ポイント・ツー・メニーの両シナリオに対応できる。通信プロトコルは、File、FTP、HTTP(S)、JMS、電子メール(POP/SMTP/IMAP)、WS-Reliable Messaging(予定)、Tuxedo(予定)をそれぞれサポートする。

 一方、メッセージングは、Synchorous(同期)、Asynchronous(非同期)、Publish、Subscribeの4種類。メッセージタイプは、添付つき電子メール、JMS、MFL(Message Format Language)、バイナリデータ、テキスト、SOAP、SOAP with attachment、XML(スキーマ準拠/ well-formed)に対応している。

 BEAは、SOAを推進するために、従来の開発基盤であったWebLogic Platformに加え、サービス基盤としてAquaLogicを提供。その中で、AquaLogic Service Busは、SOAを支えるバックボーンとしてESBとサービス管理機能を担うインフラとなっている。

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