9月のStorageTek買収完了を控え、Sunでネットワークストレージ製品を統括するキャネパ執行副社長に統合および販売戦略を聞いた。(IDG)
Sun Microsystemsによる総額41億ドル規模のStorage Technology(StorageTek)買収が9月1日に完了する見込みだ。SunはどのようにStorageTekを統合していくのか、ネットワークストレージ製品を統括するマーク・キャネパ執行副社長に聞いた。
IDG StorageTekをどのようにSunに組み込んでいくのでしょうか、その戦略を教えてください。
キャネパ 現在、統合プロセスの一貫として15のチームが組織され、それぞれの分野でコスト上の相乗効果だけでなく、もちろん売り上げ面での相乗効果を模索しているところです。7000人の企業を40億ドルで買収するのです。われわれが前進するという目的を最大化すべく、この作業を行っていきます。例えば、潜在的な売り上げの相乗効果をどう実現していくか、コスト上の相乗効果をどのように探るか、などです。
IDG StorageTek買収がどのようにSunのストレージ戦略を加速するのでしょうか
キャネパ プロダクトが制約なのではなく、われわれはカバレッジに制約されるのだと考えています。われわれの製品、ソリューション、そしてサービスなどの能力は、日々、製品を売りに行っている販売部隊の規模を超えています。
先ず、StorageTekには1000人以上の営業マンがいます。われわれのカバレッジを拡大してくれます。次にStorageTekの顧客担当はこれまでテープやアーカイブのソリューションを販売してきたのですが、Sunのすべてのストレージ製品を扱えるようになります。SunのポートフォリオはStorageTekのそれより幅広いのです。そして3番目は、多くのStorageTekの顧客はSunの顧客ではないということです。StorageTekは35年間、数多くのメインフレーム顧客の要求を満たしてきました。引き続きメインフレームのストレージに関するニーズにこたえつつ、メインフレーム以外にも領域を広げ、やがてそれが新たな売り上げの相乗効果を生み出すと信じています。
IDG StorageTek製品についての販売戦略を教えてください。
キャネパ われわれはこれまでにも多くのStorageTek製品をOEMしてきました。ライブラリーシステムについては、販売戦略を基本的には変えないつもりです。それ以外については、買収後、最初の段階ではSunのプライスリストに載ることになるでしょう。大部分においては、StorageTekの戦略を拡大していくことになります。初期段階では、StorageTekが販売するだろう顧客の要求にこたえていきます。しかし、われわれと合併することによって、より幅の広い価値提案を提供できるようになります。
例えば、StorageTekが単独でILM(Information Lifecycle Management)を語るよりも、われわれであればさらに幅広い意味合いで語ることができます。StorageTekの戦略は、データをアーカイブしたときから削除するまでの顧客の要求を満たすものでした。合併によって、データ作成から削除まで関連する戦略へと進化させることができます。
IDG さらなる業界再編の兆候としてStorageTek買収をどのように見ていますか。
キャネパ IT市場はコンソリデーションの過程にあると考えています。われわれのスコット・マクニーリーCEOはそれについて話しており、大まかに言えば、SunはIT市場を統合する側の1社でありたいということです。
IDG SunがStorageTekを買収し、EMCはADICと提携しました。ほかのテープベンダーも無関係ではいられません。
キャネパ そのとおりです。Quantum、ADIC、IBM、そしてSunがこの分野にはいます。Overland Storageもいますが、課題に直面しています。間違いなく、ほんのひと握りに絞り込まれます。
IDG IBM、EMC、HPに対してシェアを失ってきました。今回の買収によって、どのように回復させるのでしょうか。
キャネパ 市場シェア獲得は必ずしも製品ラインだけにかかっているとは考えていません。販売部隊が重要であり、競合に対しても遜色ありません。StorageTek買収は、それをもたらしてくれました。われわれはStorageTekの販売部隊をフルに活用していくつもりです。
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