コネチカットの非営利組織でのLinuxとVMwareの活用

コネチカット州ブリッジポートの非営利組織Family Services Woodfieldは、仮想マシンの助けを借りてオープンソースの世界に踏み出そうとしている。

» 2005年08月25日 21時18分 公開
[Tina-Gasperson,ITmedia]

 コネチカット州ブリッジポートの非営利組織Family Services Woodfield(FSW)は、仮想マシンの助けを借りてオープンソースの世界に踏み出そうとしている。

 FSWは、非識字、家庭内暴力、HIVなど、さまざまな生活上の問題を抱えた家族のための支援団体であり、青少年犯罪者の社会復帰支援や、高齢者介護家族の支援なども行っている。FSWは、同組織がリソースとして使用しているその他機関とのパートナーシップを築いており、地域住民により良いサービスを提供するための新しいプログラムを常に模索している。

 FSWは政府資金および民間からの寄付を受けているため報告義務を果たす必要があり、子供のための精神的ケアを行っていることから、1996年の「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act:HIPAA)」に準拠する必要がある。FSWは常日頃から、1000万ドル強の年間予算の大半をブリッジポート周辺の2万3000人以上の住民により良いサービスを提供するという目的に使うための方法を探している。

 最近実施されたのは、LinuxとVMwareの仮想マシンを使用するという方法だ。FSWは、7カ月前にJoe Foran氏がITディレクターに就任するまでは、Microsoft製品ばかりを使用していた。Foranは就任後すぐに、同組織のIT部分に費やされている膨大な経費を節約する必要があると判断した。Foran氏はこう語った。「わたしはUnileverから来ましたが、そこで数年にわたって幾つものVMwareプロジェクトに参加しました。わたしには豊富な経験があり、FSWのどの部分で経費を節約できるかを考え、この結論に達しました」。

 同氏がこの提案をすると、役員会は彼にVMwareの購入、配備についての全権を委任した。そこで彼はVMwareを購入し、それをRed Hatベースのディストリビューションを稼動している2台の新しいDell PowerEdgeサーバ上に配備した。この2つのサーバ上には4つのLinuxインスタンスがあり、その大部分は、CentOSとファイアウォールを実行する基本カスタムカーネルである。Linux上にはCommuniGate Proグループウェア、LifeRayポータル、Jive Messenger、LAMPスタック、OpenLDAP、Samba、SSL-Explorerというアプリケーションを用意した。

 現在でも、Medisoftという医療費請求ソフトウェア(HIPAAの要件のため)とMIPという財務会計ソフトウェアを使用するために、Windowsマシンが別に残されている。「これらについては、『壊れていないものを修理するな』という運用管理のセオリーに従って、仮想環境の外に置きました」とForan氏は語った。

 先日、ある匿名の寄付者からFSWに宛てて58台の中古テスクトップが寄贈された。Foran氏はこれらのマシンにCentOS 4、OpenOffice.org、Firefox、およびEvolutionをインストールしてFSWの臨床医に配るつもりであり、使われていないサーバとVMwareワークステーションを使ってデスクトップ環境のテストを実施しているところだ。

 Foranによると、LinuxとVMwareを使用することで、FSWのIT部分の経費を少なくとも7万9000ドル節約できたそうだ。「配備にかかる経費は当初約10万3000ドルと見積もられていたが、実際には2万4000ドルで行うことができた」。

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