Visual Basic 6.0ユーザーはVisual Basic 2005に移行せよ(3/4 ページ)

» 2005年09月09日 20時07分 公開
[下村恭(ハンズシステム),ITmedia]

Visual Basic 2005に移行すべき理由

 VB 2005に移行すべき理由は、もちろん、VB 6の良さが復活したからだけでなく、生産性を向上させるためのさまざまな「使える」機能が盛り込まれているからこそだ。

 500以上のコードの塊を目的別で探して貼り付けられるコードスニペットは、同じような処理を何度も書き直さなくてすむという生産性の向上に寄与するだけでなく、実証済みのコードを使用できるという意味でソースコードの信頼性を高める効果がある。

コードスニペットを使うと、あらかじめ用意されている500以上のコードの塊から、必要なコードを貼り付けることができる。実績のあるコードを再利用することで、コードの信頼性を向上させる効果もある。独自のコードを追加したり、チーム内で共有することも可能だ

 また、リファクタリング機能も見逃せない。リファクタリングとは、プログラムの動作を変えずに、ソースコードを見やすくする機能のこと。例えば、変数名やクラス名の変更であったり、数行にまたがるコードをメソッドに昇格させるなどの機能だ。今までは、フォームデザイナで部品を配置してそのままコーディングした場合は、デフォルトのForm1やButton1などの名前のまま使用することになった。おまけに、これらの名前を意味のあるfrmMainとかbtnOKといった名前に変更しようとしても、Nameプロパティを変更し、ソースコード上のメソッド名などをいちいち置換していかなければならなかった。当然こうした作業にはミスがつきまとい、つまらないバグの原因ともなったものだ。

 VB 2005のリファクタリング機能は、標準ではC#ほど強力でないものの、外部ツールを組み込めるようになっているので、Refacrtor!などのフリーのリファクタリングツールを組み込むことで、より強力なリファクタリング機能を手に入れられる。

Refactor!を使って、ひとまとまりのコードをメソッドに置き換えようとしているところ。このほかにも、引数の順序の入れ替えや、名前の変更など、さまざまな機能でプログラマをサポートする(Microsoft Tech・ED 2005 Yokohamaのセッション「Microsoft Visual Basic 2005 -アーキテクチャと開発生産性- 、講師:山崎明子氏」から)

 これらコードスニペットやリファクタリングは、VB .NET 2003から移行してくる理由にもなるだろう。しかし、VB 6から見ると、もっと大きな理由もある。それはもちろん.NET Frameworkに完全対応するという点だ。CLR上で実行されるマネージコードの利点は言うまでもない。それ以外にも、クラスライブラリの実現する多種多様な機能をすべて利用できるのは、プログラムにとってとても大きなアドバンテージだ。いままで、ややこしい手順で複雑なコードを書いてAPIを呼び出さなければならなかった機能を、クラスライブラリの力で比較的簡単に実現できるようになる。

 また、本稿では取り上げなかった、Visual Studio 2005の最大の特徴であるチーム開発関係のツールを使用するだけでも、VB 2005に移行する価値は大いにある。

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