次世代を担う学生の情熱を育め、日本IBMが学生向けイベント

この夏、マイクロソフトがImagine Cup 2005を成功させたばかりだが、IBMも「Student Live」で学生支援を競う。学生たちの自由な発想を刺激し、ITで社会を変えたいという情熱を育むのが狙いという。

» 2005年09月12日 07時51分 公開
[ITmedia]

 この夏、Microsoft主催の学生向け技術コンテスト、「Imagine Cup 2005」が横浜で行われ、次世代の担い手が世界各地から集った。日ごろ、技術開発や製品の売り込みで競うライバルらは、こうした社会貢献、IT業界の将来を担う学生の支援でもしのぎを削る。

 9月16日、日本アイ・ビー・エムは「IBM Student Live 2005」を早稲田大学で開催し、最先端のテクノロジーを紹介する。IBMの研究員らが、人道目的の地雷探知機「マイン・アイ」や、障害者らにも容易にIT機器が操作できるユニバーサルデザインについて語ることで、学生たちの自由な発想を刺激し、ITで社会を変えたいという情熱を育むのが狙いという。

 特にユニバーサルデザインは東京基礎研究所が研究開発の拠点のひとつとなっており、「aDesinger」を開発している。aDesignerは、全盲のユーザーなどが音声ブラウザでアクセスしたときのユーザビリティーや、弱視のユーザーからどのように見えるのかをシミュレートし、だれもが使いやすいWebサイトの作成を支援するツールだ。もちろん、IBMのサイトなどから無償でダウンロードできる。

 なお、日本IBMでは昨年12月、学生のITスキル向上支援プログラム「IBMアカデミック・イニシアティブ」を国内でも発表した。大学の教授などが登録の対象者となり、授業や研究のためにIBMがソフトウェアやハードウェアを提供するもの。登録料などはなく、DB2、WebSphere、Notes、TivoliなどのIBMソフトウェア製品がダウンロードできるほか、電子メールによるサポートも提供される。既にワールドワイドでは5300校、1万2000人の教員が参加しているという。

 7月、米国では研究所で開発された発表前の新しい技術を大学に無償提供する「Academic License」も発表されたばかり。ISVやデベロッパー支援の一環として同プログラムを担当する古長由里子部長は、「世界のオープンな最新技術に触れてもらうことで、世界に通用する日本の技術者育成を支援するのが狙い」と話す。既に国内でも早稲田大学、東京工業大学、京都大学、大阪大学が参加を表明しているという。

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