Cognos、既存製品群を統合した「Cognos 8 BI」を正式発表

BIのリーダー、Cognosが単一のWebサービスアーキテクチャーに製品群を統合した「Cognos 8 BI」を準備している。βテスターは個々の機能強化だけでなく、メンテナンス性の改善も評価している。(IDG)

» 2005年09月13日 12時02分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Cognosは、分析やレポートのツール群をすべて1つのアプリケーションに盛り込んだ「Cognos 8 Business Intelligence」を準備している。

 米国時間の9月14日に発表され、11月に世界各地で出荷が始まるCognos 8 BIは、ReportNet、Metrics Manager、PowerPlay、DecisionStream、そしてNoticeCastという同社製品を統合する。Cognosでプロダクトマーケティングを担当するリア・マクミラン副社長によると、同社は一連のソフトウェアスイートを単一のアプリケーションでリプレースすることになるが、顧客は必要とする機能だけをライセンスすることもできるという。

 「ユーザーロールごとに特定機能だけにアクセスを許可するというライセンスも可能だ。したがって、レポートとそのライセンスだけでも始められる」とマクミラン氏。

 なお、従来製品のメンテナンスサブスクリプション契約を結んでいる顧客は、該当するCognos 8 Business Intelligenceの機能のライセンスに移行できる。例えば、ReportNetの顧客は新しいソフトウェアのレポート機能のライセンスを受けることができる。

 今回のアップデートは、CognosのBIソフトウェア製品を単一のWebサービスアーキテクチャーに対応させたものだ。これによって配備と運用が簡素化できると同社では期待している。また、アプリケーションとしては、ポータル、クエリ、レポート、ダッシュボード、分析、およびイベント管理の各種機能がすべて統合され、アラートやイベント管理のツールは堅牢になり、スコアカードの機能も多彩になった。ポータル機能も柔軟さが増し、また、レポートツールの使い勝手も向上している。ユーザーがセルフサービスでレポートを作成して配信を受ける機能は、特にユーザーからの要望があり、注力した機能だとマクミラン氏は話す。

 「ビジネスユーザーから最も多かった要望のひとつが、“レポートの作成をもっと簡単にしてほしい。IT部門に頼みたくない”というものだった」と彼女。

 トラック運送会社のシュナイダーナショナルでナレッジサービスとデータイベント管理を担当するジョン・ハーゼンザール ディレクターは、βテスターのひとり。彼は、Metrics ManagerとReportNetが大幅に機能強化されているとみる。ウイスコンシン州グリーンベイの同社は、6年前からCognos製品を利用しており、数千ユーザーをサポートしている。

 「現行のMetrics Manager 7は、評価指標の粒度の問題から配備を見送っていた」とハーゼンザール氏。

 部署ごとにデータを異なる方法で見たいと考えており、旧バージョンではそうしたカスタマイズが難しかったという。バージョン8では問題が解決され、多岐にわたる同社のニーズを満たすことがてきるとハーゼンザール氏は話す。

 性能改善から得られる恩恵も特筆すべきだという。前バージョンのReportNetでは、PDFのレンダリングがCPUに大きな負荷をかけていたが、新バージョンでは高速でリソース消費も少なくなったという。彼はまた、新しい統一されたアーキテクチャーもアドバンテージだとみる。

 「メンテナンスとアップグレードがやりやすくなり、アプリケーションの修正も簡単になると考えている。間違いなく、メンテナンスの時間を削減してくれるだろう」(ハーゼンザール氏)

 シュナイダーはCognosのほとんどのアプリケーションを利用している。ReportNet、Metrics Managerは確実に新バージョンで本番稼動に入るが、すべてCognos 8に移行するのは控えている。シュナイダーはメインテナンス契約を結んでいるが、それでもアップグレードが高くつくだろうとハーゼンザール氏はその理由を明かす。

 「われわれのコストもある。それが幾らにつくのか分からない。すべてアップグレードするかどうか決定していない」とハーゼンザール氏。

 Cognos 8 BIのコストは構成によって変わる。Cognosでは、150人のレポートユーザーと15人のレポート作成者などのライセンスで22万ドルと見積もっている。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ