OracleエリソンCEOのインサイダー取引訴訟、和解へ

エリソン氏のOracle株インサイダー取引疑惑をめぐる裁判で、同氏が「1億ドル分を寄付する」という和解案が浮上している。(IDG)

» 2005年09月13日 17時27分 公開
[IDG Japan]
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 Oracleのラリー・エリソンCEOは4年間争われている裁判で和解することを暫定的に了承した。エリソン氏を訴えていた弁護士の1人が明らかにした。

 この裁判は2001年1月、エリソン氏が9億ドル近くのOracle株を売却したときのインサイダー取引疑惑に関するもので、和解案はOracleの取締役会による承認を得なければならない。エリソン氏は2001年の売却数週間後に2001年第3四半期業績が予想を下回ると発表した。

 エリソン氏の売却価格は1株当たり30.76ドル。業績予想未達のニュースが出ると、株価は約半分にまで下落した、と原告のジョゼフ・タバコ弁護士。第3四半期業績発表後の株価は16.98ドルとなった。

 タバコ氏によれば、和解の法廷審問は9月26日に予定されており、サンマテオ郡高等裁判所のジョン・シュワルツ判事が担当する。タバコ氏はBerman DeValerio Pease Tabacco Burt & Pucillo法律事務所に所属する弁護士。

 エリソン氏は和解条件の一部として高額な寄付を行う予定だとタバコ氏。「エリソン氏は自分の資産から1億ドルをOracle名義で5年間にわたり寄付目的に使用する」と同氏は説明する。

 エリソン氏の売却金約9億ドルをめぐる訴訟はこれが初めてではない。昨年にはエリソン氏と前最高財務責任者のジェフリー・ヘンリー氏の行為はインサイダー取引には当たらないとの判決がデラウェア裁判所で出された。そしてこの取引に関する株主集団訴訟がさらに1件、審理中だとタバコ氏は述べている。

 株主の利益のためにエリソン氏を訴えている株主集団訴訟とは異なり、タバコ氏が訴えているのはOracle自身のためだという。そのため、和解案はOracleにとって利益になるものでなければならないと同氏は説明する。

 タバコ氏は和解案がOracleに対する単純な支払いではない理由について述べていないが、Oracleはこの和解により恩恵を受けることになると主張している。「最も具体的な恩恵は、1億ドル分の寄付控除が受けられるという点だ」と同氏。

 Oracleはこの件についてコメントを拒否している。

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