販売戦略につなげるデータ分析店長のデータ活用(1/3 ページ)

店舗でデータに基づく顧客対応や品揃え、販売戦略を実践するには、どうしたらいいだろう。店長や販売担当が現場でデータ分析できる環境を構築して、各店舗の販売戦略に活かそう。(特集:データ経営でビジネスを制す)

» 2005年09月16日 00時00分 公開
[梅田正隆,ITmedia]

 百貨店やスーパーマーケット、さらには、台頭するインターネットビジネスも含めて、企業の業態はますます多様化してきている。ただし、どの業態にしても、顧客に商品やサービスを販売するという点では共通している。ビジネスの過去を分析し、未来を予測する取り組みは、企業が成長を続けていく上で不可欠と言っていい。

 では、店舗では具体的にどのようなデータ活用が行われているだろう。「売り上げや在庫のデータは見えるが、顧客の切り口からデータは見えないし、使えない」という現場が多いのではないだろうか。

 顧客に紐づけられたデータを活用するためには、売り上げなどの数値データと顧客データを統合し、活用できる環境が必要になる。手始めに、顧客管理アプリケーションと単品管理アプリケーションのデータをETLで引き出し、データマートを構築してOLAPで多次元分析を行えるシステムの「理想像」を考えてみよう。

 対象を顧客管理および単品管理アプリケーションの2つに絞り込んだのは、まず、顧客管理データから「商品の好み」などの顧客ごとの動向を探り、一方で、単品管理からは「売れ筋や死にの把握」など商品ごとの動向を探るためだ。

 顧客動向と商品動向の2つの軸で分析することで、より具体的にビジネスの状況を把握できる。たとえば、アパレル業界ならば、「自社のターゲット顧客層である25歳前後の女性客を牽引しているのは麻混のベージュのカットソーである」といった情報を得ることができれば、次回の商品の仕入れ方にも工夫を施すことができるわけだ。

 このとき、抽出すべきデータ項目は、何を分析したいかで決まってくる。目的から遡って必要なデータ項目を選択していく必要がある。

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