Mac向けOffice、SP2でエンタープライズ向けに強化

Office 2004 for MacのSP2は、Entourageのコラボレーション機能を強化し、Windows向けOutlookと対等の機能を実現するのに貢献している。

» 2005年09月21日 14時56分 公開
[John Rizzo,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftが無料アップデート「Office 2004 for Mac Service Pack(SP)2」をリリースした。これは「Entourage」をExchange Server 2000以降向けのコラボレーションクライアントとして改良することに焦点を当てている。

 このSP2はほかのOfficeアプリケーション向けの小さなフィックスも提供するが、Entourageのエンタープライズ統合機能を大きく改善する。これにはGlobal Address Lists、完全な許可の委任、強化されたパブリックフォルダ、Exchange Serverクライアントとしての性能向上が含まれる。

 「SP2は、顧客が対処を求めていた(Entourageの)問題の大半を解決する」とMicrosoftの広報担当者は話す。

 SP2では、Entourage 2004ユーザーがExchange Server上のグローバルアドレスリストを検索・閲覧し、ディレクトリ構造全体にアクセスできるようになった。旧版では、サーバベースのディレクトリ上で電子メールアドレスを探すのに、ほかのユーザーのフルネームを知っていなければならなかった。

 Entourage 2004 SP2では、ユーザーはカレンダーの許可をほかのユーザーに委任することができる。これは管理者にとって便利な機能だ。これにより、管理者はWindows用Outlookを使わずに、Entourageを介してユーザーアカウントをセットアップすることができる。

 パブリックフォルダでの共同作業も拡張され、電子メール、アドレス帳、カレンダーを閲覧・共有したり、パブリックフォルダを使ってファイルを共有できるようになった。Exchange Serverとの通信強化により、パブリックフォルダがMacユーザーにとってより有力な選択肢になった。マウントに1時間かかっていたパブリックフォルダが、今では45秒でマウントできるとMicrosoftの広報担当者は語る。

 SP2リリース以前は、Entourageは機能の点でWindows Outlookに後れを取っていたし、Mac OS 9向けOutlook 2001にあるコラボレーション機能がなかった。このため一部の企業では、Entourageを導入するよりもMac OS XのClassic環境でOutlook 2001を使い続けていた。

 Microsoftの広報担当者は、EntourageとMac OS 9 Outlookの格差は、Macintosh Business Unit(Mac BU)が最初にEntourageをコンシューマー向けアプリケーションとして設計したことにあるとしている。MicrosoftのExchange部門は、Outlook 2001をエンタープライズクライアントとして設計した。Exchange部門がMac向けOutlookの開発をやめたため、Mac BUは徐々にEntourageのエンタープライズ向け機能を改良していった。Microsoftによると、SP2はWindows向けOutlookと対等になることに大きく貢献しているという。

 SP2にはバグフィックスやセキュリティアップデートも含まれているため、MicrosoftはこれをすべてのOffice 2004ユーザーに勧めている。

 同社は、EntourageとほかのOfficeアプリケーションを企業向けに改良すること、Mac向けOfficeのさらなる発展(Virtual PCなど)に力を入れているとしている。OfficeアプリケーションにApple Computerの技術を統合することも継続する意向だ。

 Microsoftは先に、Mac向けOffice XおよびOffice 2004で、Windows向けOffice 12のXMLベースファイルフォーマットを読めるようにするコンバータを提供すると発表した(6月3日の記事参照)。Mac向けのOffice 12はXMLファイルフォーマットをネイティブでサポートする。

 IntelベースMac向けOfficeが登場する可能性もあるが、Microsoftは詳細を明かしていない。

 「われわれはAppleとIntel版に関して密に協力している」とMicrosoftの広報担当者は語る。「今はIntelベースMacの感触をつかんでいるところだ」

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