BEA World開幕へ、「SOAは企業のIT戦略」とBEA幹部BEA World 2005 Santa Clara Report(1/2 ページ)

BEA Worldを翌日に控え、BEA Systemsはアジア太平洋地域のプレスを対象に同社のSOA戦略をブリーフィングした。「SOAは企業のIT戦略」とグラハム副社長は話す。

» 2005年09月27日 11時02分 公開
[渡邉利和,ITmedia]

 「BEA World 2005」は、シリコンバレーのサンタクララを皮切りに、ロンドン、パリ、プラハ、東京、北京と世界各地で開催される。一連のワールドツアーの最初となる「BEA World 2005 Santa Clara」は米国時間の9月27日から3日間、サンタクララコンベンションセンターや隣接するホテルで行われる。開幕を翌日に控えた26日、BEA Systemsはアジア太平洋地域のプレスを対象に同社のSOA(サービス指向アーキテクチャー)戦略をブリーフィングした。

ブリーフィングを行ったワールドワイドプロフェッショナルサービス担当のブルース・グラハム副社長

 ブリーフィングの冒頭で示されたのは、BEAによるSOAの定義だった。

 「サービス指向アーキテクチャーは、エンタープライズアプリケーションに含まれる別個の機能を相互運用可能で標準規格ベースのサービスに体系化し、そのサービスを組み合わせたり再利用したりすることで迅速にビジネスニーズに対応できるようにするIT戦略だ」

 やはり着目すべきは、SOAが技術の問題ではなく、「企業にとってのIT戦略である」と明確に打ち出している点だろう。BEA World 2005は、この立場から同社のSOA戦略と、関連する製品戦略、ロードマップなどを中核テーマとして展開されることになる。

 「SOAを実現するには、単一ベンダー製品ですべてを構築するやり方と、マルチベンダー環境で実現するやり方の2通りがあり得る」と話すのは、BEAでワールドワイドプロフェッショナルサービスを担当するブルース・グラハム副社長。

 彼は、単一ベンダーによる「シングル・テクノロジー・スタック」というアプローチを採用する代表的な企業としてOracleとSAPの2社を挙げた。一方、BEAはマルチベンダー環境で「シングル・サービス・ネットワーク」を構築するアプローチだとし、2つのアプローチでは将来像が異なってくるとした。

 前者のアプローチが行き着く先は、数年前に話題になった「IT Does not Matter」という本が示したもので、ITが効率化やコスト削減に役立つものの、企業の差別化要素になることはなく、技術革新をもたらさない未来だ。一方、後者はITの技術革新が企業のコアコンピタンスであり続け、革新を続けていく未来だとする。

ポータル選択が先行指標

 グラハム氏はまた、SOAの普及に先立って、「先ずはポータルサーバのシェアが将来動向を示す先行指標になる」と話した。

 ポータルは、SOA化されたアプリケーション(ビジネスプロセス)へのインタフェースを提供するための仕掛けだ。ポータルの選択から、ユーザー企業が「シングル・テクノロジー・スタック」を選択したのか、「シングル・サービス・ネットワーク」を選択したのかも分かるという。

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