Exchangeを一蹴、Lotus Notes/Domino 7で着実な進化を訴えるIBMLotusDay 2005 レポート(2/2 ページ)

» 2005年10月05日 23時09分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 「電子メールを含むコラボレーションアプリケーションは、セキュアで堅牢でなければならない。しかも、TCOの削減も迫られている」とローディン氏は話す。

 カリフォルニア州サンフランシスコのFerris Researchによると、1999年出荷のNotes/Domino R5から7に移行することによって企業はTCOを22%削減でき、6から7への移行でも8.5%削減できるという。

 この4年、ロードマップを着実にこなしてきたIBM Lotusだが、既存のアプリケーション資産は引き続き稼動できることを保証してきている。「投資の保護は、顧客にとって大きな価値」とローディン氏。

 もちろん、開発者のスキルも同様だ。Notes/Domino 7では、SOA(サービス指向アーキテクチャー)に対応し、DominoサーバはWebサービスのクライアントとしてもプロバイダーとしても機能するようになった。既存のNotes/Domino資産をWebサービス化して、ほかのシステムと連携させることが容易になるほか、LotusScriptでもWebサービスを記述できるため、開発者は既に習得したスキルがそのまま生かせるという。

アクティビティー中心へ進化するHannover

 6月中旬、ドイツのハノーバーで計画が発表された次期メジャーアップグレードは、その地にちなんで「Hannover」のコードネームで呼ばれている。

 Hannoverの最大の役割は、これまでの電子メール中心からアクティビティー中心へとコラボレーションを進化させること。それは、人と人のやり取りの結果、さまざまな電子メールやドキュメント、ディスカッション、あるいはインスタントメッセージングの会話が残されていくが、それらをビジネスの脈絡に沿った形で集約し、容易にアクセスできるようにしてくれる。今年初めのLotusphereで技術デモされた「Activity Explorer」が取り込まれた形だ。

 ローディン氏は、「Notesが市場に投入されて以来の革新」と誇らしげに語る。

 Hannoverはまた、 IBM Workplace Client Technology, rich client editionにも対応する。IBM Workplace Client Technologyは、クライアント環境ながら、小型のJavaアプリケーションサーバとデータベースを搭載し、ユーザーインタフェースのフレームワークやプラグインのアーキテクチャとしてEclipseを採用する。さらにプロビジョニングのためのTivoliエージェントや、オフライン時の使い勝手を改善するためにレプリケーション機能も盛り込まれているため、コンポーネントを中央から集中管理する次世代のサーバ管理型クライアントが実現できる。

 「われわれのロードマップは明確だ。それは書き換えるものではなく、着実に1つずつ実現していくもの。Hannoverは次のLotusphereでデモし、向こう12カ月から18カ月でリリースする」とローディン氏は約束する。

 Notes/Domino 7日本語版は11月1日からダウンロード可能となるほか、メディア形式での出荷は11月25日から始まる。なお、LotusDay 2005は、東京を皮切りに、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の各地で開催される。

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