「ブレードサーバ+仮想化環境」の組み合わせを広く一般ビジネスに、HP

日本HPは10月11日、ブレードサーバをプラットフォームとした仮想化環境への移行を支援し、管理を一元的に行うためのツールを発表した。

» 2005年10月12日 09時59分 公開
[ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードは10月11日、ブレードサーバをプラットフォームとした仮想化環境への移行を支援し、管理を一元的に行うためのツールを発表した。合わせて、企業におけるブレードサーバを支援するサービスおよび体制の強化にも努めるという。

 同社執行役員、エンタープライズストレージ・サーバ統括本部長の松本芳武氏は「これまでブレードサーバは、ハイパフォーマンスコンピューティングなど特定の用途向けに導入されることが多かった。だが、搭載OSの比率を見るとWindowsの割合が高まっており、より一般的な用途へと変化しつつある」と述べた。

 これと同時に、ブレードサーバに求められる要件にも変化が見られるという。同社が行った顧客アンケートによれば、ブレードサーバの物理的な利点である「高密度、高集積性」や「消費電力の削減」といったメリット以上に、「管理性」や「仮想化、自動化技術」に注目が集まった。今回リリースするソフトウェアはこういった背景を踏まえて提供するものだという。

 「ブレードサーバそのものの能力が向上するにつれ、そのリソースをプールする仮想化テクノロジが重要になってくる。サーバ統合の受け皿としてブレードサーバを検討している顧客に対し、仮想化技術を組み合わせた形で提供していく」(松本氏)。

 日本HPでは、「HP BladeServer」をベースとした仮想化支援コンセプト「HP ProLiant Essentials Virtualization Management Software(VMS)」の下、2つのツールを提供する。

 1つは、既存の環境から仮想化環境への移行を支援する「HP ProLiant Essentials Server Migration Pack(SMP)」だ。さまざまなプラットフォームで構築された既存のサーバにエージェントをインストールし、情報を収集した上で、VMWareやMicrosoft Virtual Serverで構築された仮想化サーバへと環境を移行させる。物理サーバから仮想サーバへの移行だけでなく、仮想サーバ間の移行や、いったん仮想サーバで構築した環境を物理サーバに移行させる(テスト環境を本番環境に展開させる)ことも可能だ。

 「これまで数日から数週間を要していた移行作業を数分から数時間で完了させることができる」(同社エンタープライズ・ストレージサーバ統括本部、ブレードシステムマーケティング部部長の正田三四郎氏)。価格は1万2600円で、11月上旬より提供を開始する。

 もう1つのツールは、物理マシンと仮想マシンの一元管理を行う「HP ProLiant Essentials Virtual Machine Management Pack(VMM)」だ。以前より提供されてきたツールだが、新バージョンでは、仮想マシンの開始/停止などを制御できるようになるほか、ワークロード管理機能が追加された。

VMM HP ProLiant Essentials Virtual Machine Management Packの画面インタフェース。物理マシンだけでなく各仮想マシンを一括して管理できる

 HPはこれら製品の発表と同時に、BladeSystemを活用したソリューションの開発/導入やサポート技術の共有を図る組織として「HP BladeSystem Profession」を設立。合わせて、システムの要件定義からシステム設計、導入までを一貫して実施する「HP BladeSystem Optimizedエクスプレスサービス」をはじめとするサービスの充実を図るとともに、パートナー支援体制も構築していくという。

 さらに、SASインタフェースに対応したBladeServerの新製品「HP ProLiant BL35p SASモデル」もリリースされている。松本氏は今後もBladeServerのラインアップを拡充し、年内にもデュアルコアXeonやItanium 2を搭載したモデルをリリースする計画という。

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