カード情報大量流出のCardSystems、Pay By Touchが買収へ

個人情報流出事故でVISAやMasterCardから関係打ち切りを言い渡されているCardSystemsを、未公開の認証技術企業Pay By Touchが買収する。

» 2005年10月18日 08時23分 公開
[ITmedia]

 バイオメトリクス認証技術の提供企業Pay By Touchは10月16日、クレジットカード情報の大量流出事件を起こした米CardSystems Solutionsの事実上全資産を買収することで合意したと発表した。先にCardSystemsの資産買収に向け交渉を進めていたCyberSourceはこの前日、買収提案撤回を発表している。

 Pay By Touchは指紋認証で本人を確認し決済処理するシステムを提供している未公開企業。CardSystemsは小売業者約12万社の決済処理を請け負っており、Pay By Touchとの間には大きなシナジーがあると説明している。買収を通じて自社の小売業者向け決済サービス強化を図るとともに、CardSystemsのIndependent Sales Organizations(ISO)向けに新機能としてPay By Touchのバイオメトリクス製品を売り込む方針。

 CardSystemsでは今年5月にクレジットカード情報の大量流出事件が発生。これが原因で、一部のカード会社からは10月31日で関係を打ち切ると通告されていたが、VISAはPay By TouchによるCardSystemsの資産買収を促す目的で、この期限を来年1月末まで延長したという。

 CardSystemsをめぐってはCyberSourceが9月、資産買収に関する同意書を交わしたと発表。しかし10月15日になって、両社の話し合いで合意に至らなかったため、買収提案を撤回したと明らかにした。

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