SiebelのシャヒーンCEOが「Customer Adaptive Solution」の提供を宣言Siebel Customer World Report

ボストンで「Siebel Customer World」が開幕した。オープニングの基調講演にはシャヒーンCEOが登場し、同社がCRM市場のリード役であり、それを評価したからこそOracleが合併を申し入れてきたとした。

» 2005年10月18日 16時20分 公開
[渡邉利和,ITmedia]

 米国時間の10月17日から3日間に渡り、マサチューセッツ州ボストンのボストンコンベンション&エキシビジョンセンターで「Siebel Customer World」が開催されている。以前はユーザーカンファレンスとして同社製品のユーザーを中心に開催されていたイベントを改称し、新たにSiebelからの情報提供を中心に、既存ユーザーのみでなく、パートナーや導入検討中の顧客などにも広く情報提供していくことに重点を置いている。

 開催初日の10月17日には、同社のCEO、ジョージ・シャヒーン氏がまずオープニングの基調講演を行った。

SiebelのCEOを務めるシャヒーン氏

 同氏はまず、1994年のSFA(SalesForce Automation)製品から始まり、1997年にCRM(Customer Relationship Management)製品、1999年にMarketing Automation(マーケティングオートメーション)製品、2000年にMultichannel eBusiness(マルチチャネルe-ビジネス)製品、2001年にIndustry-Specific CRM(業界特化型CRM)製品を投入してきた歴史を紹介し、「Siebelがフロントオフィスの革新をリードしてきた」とした。そして、その間にユーザー数は堅調な伸びを示し、2005年第3四半期には370万ユーザーに達していることを紹介し、市場をリードする存在であることをアピールした。

 続いて同氏は、Harvard Business SchoolやAccentureなどが公表した調査などを紹介しつつ、顧客関係の改善に取り組むことが企業の成長に極めて重要な要素であることを強く訴えた。

 さらに、IBM Business Consulting Servicesによる「顧客関係の強化は、製品の進化の2倍、価格競争力強化の3倍のインパクトがある」という調査を紹介し、CRM製品を利用して顧客関係の強化に取り組むことがユーザー企業にとってどれだけ大きな意味を持つのかを力説した。

 同氏は、「顧客関係こそがビジネスの成功の鍵だ」とし、顧客に真の価値を与えることが企業にとって重要だという。さらに、企業に対するアドバイスとして、「顧客の要求を理解してそれに応える、顧客に焦点を当てた企業になること(Focusing on Customer)だ」と語った。

 さらに同氏は、「SiebelはCRM市場のトップ企業であり、市場に対してCRM市場の“次の姿”を示す責任がある」として、市場を牽引する立場にあることに対する強い自負を見せると同時に、次世代のコンセプトとして「Customer Adaptive Solution」(顧客適応型ソリューション)の提供を明らかにした。そして、ユーザー企業に対しては、「Customer Centric Enterprise」(顧客中心型企業)になるよう訴えた。

 最後に同氏はオラクルとの合併合意についても言及し、「OracleはSiebelの過去10年以上に及ぶCRM市場での経験と実績を評価しており、Siebelの技術をOracleが将来提供するCRMアプリケーションの中核に据える予定だ」と語り、Siebelの技術が合併後も継続して利用可能になるとした。さらに、OracleのCEO、ラリー・エリソン氏のビデオメッセージも紹介され、同じ内容がエリソン氏からも語られた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ