Siebelが次世代製品群のロードマップを明らかにSiebel Customer World Report

マサチューセッツ州ボストンで開催中の「Siebel Customer World」で、SiebelがCustomer Adaptive Architectureの実現に向け、次世代製品群のロードマップを明らかにした。

» 2005年10月18日 16時47分 公開
[渡邉利和,ITmedia]

 米国時間の10月17日、マサチューセッツ州ボストンで開催中の「Siebel Customer World」で、Siebelは同社の今後の製品ロードマップを公開した。

 午前中の基調講演を行った製品担当シニアバイスプレジデントのブルース・クリーブランド氏は、まず既存のシステムの不備と考えられる点を4つ指摘した。

Siebelで製品を統括するクリーブランドSVP

 1つは基幹システムを経営計画と接続すること(Connecting the Plan to Operational Systems)、2番目は単一のシステムでさまざまな役割のユーザーをサポートすること(Supporting Multiple Roles with a Single System)、3番目が顧客対応のタイミングで適切な分析を提供すること(Applying Analysis In the Moment of Customer Interaction)、そして4番目がシステム変更を迅速かつ効率的に行うこと(Making Systemic Changes Quickly and Efficiently)である。これらの新たな課題に対応するために、次世代のCRMソリューションでは、「Outcome Modeling」「Informed Action」「Predictive Insight」「Rapid Realignment」の4つの要素が求められるという。これを踏まえて構想されるのが、Siebelの次世代製品群である。

 Outcome Modelingは、顧客情報を踏まえ、必要な出力をあらかじめ定義しておけること、Informed Actionは、ユーザーのそれぞれの役割に応じて、適切な顧客情報を自動的に提供すること、Predictive Insightは顧客対応のタイミングでリアルタイムの分析結果を表示し、さらにビジネスを遂行するために望ましい対応方法を推奨すること、Rapid Realignmentはより望ましい結果を得るためにビジネスプロセスを迅速に変更して実施できるようにすることをそれぞれ意味している。

 製品の提供は、ソリューションセット(Solutin Set)、アプリケーション(Application)、コンポーネントセット(Component Set)の3種類の形態で市場に届けられることになる。ソリューションセットはそのまま利用できるソリューションとしての提供で、アプリケーションは、SiebelのプロフェッショナルサービスやSIパートナーなどが独自のソリューションと組み合わせて提供することを想定したアプリケーションパッケージとしての提供、さらにコンポーネントセットは、SOA対応を睨み、適切なソリューションプロバイダーによる活用を前提に、アプリケーションの機能をコンポーネントとして任意に組み合わせてソリューション構築できるように提供することを意味する。

 実際の製品提供のロードマップは、2006年の予定と、その先の将来計画との大きく2段階で提示されており、今回発表された「Customer Adaptive Architecture」の実現に段階的に取り組んでいく計画が明らかになっている。

 製品ロードマップでは、Siebel Enterpriseの次期バージョンとなる8.0で「先進的なWeb Services機能」(Advanced Web Services)、「タスクベースのUIをサポート」(Task-Based UI Support)、「標準に基づく管理機能」(Standards-based Mgmt.)などが実現されることになっている。そして、将来は「オープンなモジュラーSOA」(Open, modular SOA)「プロセスセントリックなコンポジットアプリケーション」(Process-centric, conposite Apps)「リアルタイムのビジネス変更」(Real-Time Business Editing)などが実現される。

 また、UIのロードマップでは、2006年の段階でUIが一度統合された上で、将来はダイナミックなロールベースのUIが実現され、ユーザーの職務に応じた最適なビューを提供することになるという。

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