ITXPO:LinuxとGoogleユーザーに狙いを定めるバルマー氏(1/2 ページ)

IT専門家やアナリストを前に、MicrosoftのバルマーCEOは「セキュリティの改善に向けた取り組み」「LinuxおよびGoogleからの競争圧力」「次期OSWindows Vistaの開発の遅れ」など、同社をめぐる今年の主要な話題に触れた。

» 2005年10月20日 15時09分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOによると、同社の次期OS「Windows Vista」ではあらゆるセキュリティ対策が施されるため、ユーザーはリリース初日に同OSを採用することを検討してもいいという。「ほとんどのユーザーは」という意味ではあるが。

 バルマー氏は10月19日、Gartner主催のSymposium and ITxpo 2005で、IT専門家やアナリストを前にして、「ほとんどの人々は、発売初日にVistaを安心して自宅のコンピュータに導入できる。その後で、会社のPCにインストールするかどうか決めればいい。皆さんが新OSを早急に手に入れるようお勧めするが、わたしは友人に対して正直であらねばならない」と冗談めかして言った。

 Gartnerのアナリストであるトム・ビットマン氏とデーブ・セアリー氏との広範囲にわたる対話の中で、バルマー氏は、Microsoftをめぐる今年の主要な話題に触れた。自社製品のセキュリティの改善に向けた本格的な取り組み、LinuxおよびGoogleからの競争圧力、Windows XPの後継OSとなるWindows Vistaの開発の遅れなどである。

 Longhornのコードネームで知られていたWindows Vistaは、当初の計画では、Windows XPに対する意欲的なアップグレードとして、今ごろには提供されているはずだった。Vistaには、新しいファイルシステムや新しいプレゼンテーションレイヤが組み込まれる予定だったが、バルマー氏によると、Microsoftは同OSの新しいコンポーネントの相互運用性を、現在のリリース予定である来年下半期までに実現することができなくなったという。

 「このため、MicrosoftではVistaをリリースした後で、これらのコンポーネントを段階的に投入することにした」と同氏は語った。これにより、同社の開発者にとってはセキュリティの弱点を検出するツールでコードを検証する時間的余裕ができるという。

 その一方で、MicrosoftはPCユーザーがインターネットから配布されるアプリケーションを利用するという新たな世界で、自社のビジネスを拡大しなければいけないという課題に直面している、とビットマン氏はいう。「1980年代には、API(Application Programming Interface)を支配することが戦略の中心だった。しかしインターネットの世界では、相互運用性とWebサービスが戦略の中心になるべきだ」。

 バルマー氏はこれに対し、「Microsoftでは、インターネットを通じてソフトウェアプログラムを配信するアプリケーションも作成するようWindows開発者に促している」と答えた。同社では、デスクトップ環境とインターネットを橋渡しするアプリケーションの開発を促進する方針だという。

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