天城に集結したIBMの主要ISVパートナーが見た最新のSOASOA Business Exchangeリポート(1/2 ページ)

日本IBMは伊豆・天城の研修施設に国内主要ISVの幹部を集め、SOAによるシステム構築の最新動向について議論するセミナー「SOA Business Exchange」を開催した

» 2005年10月20日 19時46分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本IBMは10月19日から2日間、伊豆・天城の研修施設に国内主要ISVの幹部を集め、SOA(サービス指向アーキテクチャ)によるシステム構築の最新動向について議論するセミナー「SOA Business Exchange」を開催した。IBMの主要ISVパートナーを中心に30社32名が参加している。

 ISV&デベロッパー事業推進部長の山野治氏は、「世の中の変化は早く、それに情報システムを柔軟に対応させるためにSOAが有力な手段になる」と話す。同社は、自社でアプリケーション自体の開発は行わず、ISVとの連携で業務機能を提供すると表明している。IBMとしては、WebSphere、DB2、Lotus、Tivoli、Rationalのソフトウェア5ブランドを中心にしたミドルウェア分野に注力し、SOAの普及を図る考えだ。

 また、ソフトウェア事業部サポート&サービス担当の技術理事でITアーキテクトを務める長島哲也氏は、「IBMのSOAというものは存在しない」と前置きし、SOAがあくまでも一般用語であることを強調、独自の技術ではなくオープンな世界で同社がSOAのビジネスを展開することをアピールしている。

長島氏

 長島氏は、ビジネス面から見たSOAについて、「企業の業務形態を鑑みながらITシステムを再利用しやすい単位で分割し、その機能を“サービス”と見立てて相互接続してシステム全体を構築する考え方」と定義。業務プロセスの変化に柔軟かつ迅速に対応できるITシステムの実現を目指すことができるとしている。

 一方、技術面からは、「SOAとは、アプリケーション構築のアーキテクチャであり、アプリケーションのすべての機能をサービスと見立てる。サービスは記述言語によって定義されて、呼び出されるインタフェースを持っていて、業務プロセスの実行のために適宜呼び出され、実行される」という解説を加えた。

 また、今回のセミナーで強調されたのが、SOAでシステムを構築する場合のESB(エンタープライズサービスバス)の重要性だ。SOAでシステムを構築する場合の典型的な手法は、細かい業務単位に切り分けられたWebサービスを組み合わせて、新たな機能を提供するというやり方だ。

 ここで、各Webサービスを呼び出す際に、Webサービスの物理的な存在場所を隠蔽して、すべてのシステム間インタフェース機能を受け持つことがESBの役割となる。ESBを論理的なサービス提供場所として定義できるため、組み合わせるサービス間をより疎結合な形でつなぐことが可能になり、SOAのメリットである変更への柔軟性をさらに高めることができるわけだ。

 「場所の柔軟性を確保できること、実装とインタフェースを分けられることが大きなメリット」(長島氏)

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