汎用可視化ソフト「AVS/Express」と「GEO-Element」が機能連係

日本SGIは、自社の「SGI GEO-Element」の機能を業界標準の基本可視化ソフトウェア「AVS/Express」と連携させることを発表した。

» 2005年10月21日 03時13分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 日本SGIは10月20日、ケイ・ジー・ティー(KGT)が国内総販売権を持つ業界標準の基本可視化ソフトウェア「AVS/Express」と、自社のアプリケーション開発キット「SGI GEO-Element」の機能を連携させることを発表した。

 2004年5月に発売されたGEO-Elementは、3次元地図アプリケーション開発キット(SDK)として都市開発を進めるディベロッパーや建設会社、不動産会社、大学研究室、放送業界などへ導入してきた。その後、安全や防災、地球環境への意識が高まる中、都市空間のビル風の流れなどのシミュレーションデータと3次元地図を合わせて可視化したいという要求が寄せられていた。

 一方、KGTが提供するAVS/Expressはプログラミング知識を必要としない可視化環境を提供し、都市空間でのビル風の流れや地域性のある気象現象などの解析、可視化を行ってきた。従来同ソフトで都市空間を再現する際は、ビルが単なる白箱で表示されたり、フレームワークで表した都市空間の上で可視化していたため、一般の人が見て理解しやすい可視化の域には達していなかった。

 今回の発表は、AVS/Expressによる解析および可視化の結果を、GEO-ElementがPC上で高速表示する都市空間の上に重ね合わせるもので、KGTがGEO-ElementのSDKを利用してAVSに3次元地図表示モジュールを組み込む形で両社のソフトウェアで弱い部分を相互補完する。

都市空間における流体の解析結果がさらにリアルに可視化される

 これにより、都市空間を対象としたビル風の状況や地域性のある気象現象、気温の状態、さらには地震や津波の伝搬の様子などがこれまで以上にリアルに可視化される。

 GEO-Elementは、AVSの表示モジュールの1つとして組み込まれ11月から発売開始する。モジュールの価格は63万円。日本SGIもAVSユーザーに対して同モジュールを販売するが、それ以外にも大学の研究機関、ゼネコンなど新規顧客の開拓を目指す予定。

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