IBM、Workplaceに戦略的業績管理ツールを追加

IBMは、コラボレーションツールと業務アプリケーションを統合した「WorkPlace」に、企業の意思決定を支援するパフォーマンス管理ツールを追加した。

» 2005年10月24日 14時47分 公開
[IDG Japan]
IDG

 IBMは10月21日、サーバベースのプラットフォームであるWorkplace用のツールをリリースした。このツールは「IBM Workplace for Business Strategy Execution(WBSE)」と呼ばれ、従業員の社内での役割に基づく分析データおよびコラボレーション機能をエンドユーザーに提供することにより、企業がパフォーマンス(業績)を管理するのを支援する。

 WBSEでは、さまざまなソースから得られたビジネスデータを「ダッシュボード」や「スコアカード」として表示することができる。これらの指標は、収益拡大や新規プロジェクトの立ち上げといった具体的なビジネス目標に向けた現在のパフォーマンスおよび全体的な進捗状況を評価するのに使用する。

 WBSEは、IBMのパートナー各社が提供しているソフトウェアを使って拡張することが可能なフレームワークとなっている。例えば、BusinessObjectsの「XI」ポートレットをWBSEにプラグインすれば、アラートや対話型チャート/グラフといったビジネスインテリジェンス機能を実現することができる。

 BusinessObjectsでアライアンスマーケティングディレクターを務めるジェイン・ランドリー氏は、「当社の製品は互いに切り離された個別部門から情報を収集し、それを必要とする人々に提供する」と話す。

 IBMのWorkplaceプラットフォームには「Workplace for Business Controls and Reporting」などが含まれるツールファミリーが用意されており、WBSEもそれに含まれる。

 中堅・中小規模企業の場合は、インスタントメッセージングやドキュメント管理などのコラボレーションツールが含まれる「Workplace Services Express」をWBSEに組み合わせて使用することができる。WBSEはWebSphereポータル上でも動作する。Workplace Services ExpressおよびWebSphereの両プラットフォームは、財務アプリケーションやサプライチェーンソフトウェアといったバックエンドシステムに格納された社内データへのリンクを提供する。

 WBSEはビジネス戦略の策定を支援するツールではないが、戦略を詳細に記述し、それを小さなタスクに分割する機能を備える。

 ユーザー企業は、新製品の投入といったビジネス戦略を幾つかの個別目標に分割した上で、各目標を特定のエンドユーザー(役割)に割り当てることができる。その際、プロジェクト全体の中でエンドユーザーが自分に割り当てられた責任を実行/管理するのに必要なデータを表示するようにカスタマイズされたインタフェースが提供される。

 システムインテグレータのPerficientでソリューションディレクターを務めるスティーブン・ウォーショースキー氏は、「このインタフェースは使いやすく、経営者はどこにビジネス上の問題があり、その原因は何かを容易に把握することができる」と話す。

 「これは、データウェアハウジングを強化し、非構造型データなども含む複数のデータリポジトリの情報を統合する手段だと言える」(同氏)

 WBSEのインタフェースには4つの基本ツールが含まれ、これらはパートナー各社のソフトウェアを使って実装する。スコアカードは、経営幹部が全体の進捗状況を監視するだけでなく、戦略全体の中におけるユーザー/役割ごとの進捗状況を監視するのに使用する。ダッシュボードは、個々のユーザーに必要な情報を毎日提供する。

 ナビゲータでは、エンドユーザーがほかのユーザーを検索してこれらのユーザーに関する情報を表示させ、インスタントメッセージングや電子メールを通じてコラボレーションを実行することができる。アラートは、スコアカードの情報(承認の通知、状態の変化、エンドユーザーの注意を喚起する必要があるタスクなど)を追跡する。

 これらのツールは、個々のユーザーが自分自身の目標を把握し、それらを社内のほかの目標とリンクし、自己の目標が自社の戦略全体とどのように関係するのか理解するのに役立つ。

 IBM Workplace for Business Strategy Executionは、SMB(中堅・中小規模企業)/部門向けの価格は1ユーザーに付き99ドル。Workplace Services Expressポータルインフラをバンドルした場合は、1ユーザーに付き196ドル。大企業ユーザー向けには、1プロセッサに付き9万5000ドルでWBSEが提供される。WebSphere Portalインフラをバンドルした場合は、1プロセッサに付き21万8000ドルとなっている。

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