データ統合でSOAをリードするオラクルのミドルウェア戦略Oracle Fusion Middleware Day Report(1/3 ページ)

Oracle Fusion Middleware Dayの基調講演に登壇したアプリケーション事業推進本部長の保科実氏は、「近年のIT投資は新規システム構築から既存システムの統合にシフトしている」と話した。

» 2005年10月26日 18時33分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

 オラクルが最初にデータハブの構想を打ち出したのは、2004年1月にサンディエゴで開催されたOracle AppsWorldだった。このころのオラクルは、まだ買収企業数も少なく、現在のように多数のアプリケーションを抱え込まなくてはならない状況にはなかったので、データハブはオラクル製品と外部のアプリケーションを連携させるための1つの方法として注目された。

 それから1年半以上が経過し、オラクルを取り巻く状況は大きく変化した。買収した複数のアプリケーション製品を自ら提供し、それらに対する顧客の投資を保護しながらアプリケーション群を統合しなければならない。結果としてデータハブの存在は、重要度を増すことになった。

PLMのためのデータ統合

 Oracle Fusion Middleware Dayの基調講演に登壇した、同社常務執行役員アプリケーション事業推進本部長の保科実氏は、調査会社のデータをもとに、「近年のIT投資は新規システム構築から既存システムの統合にシフトしており、さらに企業が抱えるデータの活用に高い関心が集まっている」と指摘する。だが、多くの企業では部分最適でシステムが構築されており、データの分断化という課題は解決できていないとしている。

執行役員アプリケーション事業推進本部長の保科実氏

 同社は、ミドルウェアを使ってプロセスを統合するだけでなく、真のSOAを実現するためにはデータの統合も必要であることを強調している。

 「プロセスとデータの両面からシステムを統合することがオラクルのミドルウェア戦略である」(保科氏)

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