新製品でエンタープライズ市場を狙うMSのバルマー氏(1/2 ページ)

サンフランシスコで行われた「SQL Server 2005」などのローンチイベントでスティーブ・バルマーCEOは、製品のベンチマークと機能を誇り、大規模なエンタープライズ環境向けであるとアピールした。

» 2005年11月08日 15時03分 公開
[IDG Japan]
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 11月7日のローンチイベントでMicrosoftのスティーブ・バルマーCEOが明確にしたことを1つ挙げるとすれば、それは同社の新しいビジネスソフトウェア製品が大企業での配備に適しているということだ。

 サンフランシスコで行われた「SQL Server 2005」「Visual Studio 2005」および「BizTalk Server 2006」の発表会でスピーチをしたバルマー氏は、製品のベンチマークと機能、ならびにMicrosoftのパートナーと顧客について強調し、これらの新ソフトウェアが大規模なエンタープライズ環境向けであることをアピールした。

 Microsoftは中規模企業ユーザーにビジネスソフトウェアを販売するのには大成功したが、大企業市場では、各種のUNIX OS、そしてOracle、IBM、SAPなどのベンダーが提供する競合ソフトウェアとの厳しい競争で苦戦を強いられてきた。

 5年間に及ぶ歳月をかけて開発されたデータベース、ツールおよびインテグレーションサーバの新バージョンを投入することにより、Microsoftは自社のビジネスプラットフォームがセキュリティやスケーラビリティの問題を抱えているといった認識を一掃する考えだ。こういった問題は、大企業ユーザーが導入をためらう要因となるからだ。

 「われわれが行った作業はすべて、今日、どのような形のミッションクリティカルなエンタープライズ業務でもMicrosoftプラットフォーム上で安心して運用できるというユーザーの確信を強めるものとなるだろう」とバルマー氏は語った。

 同氏はこの主張を裏付けるべく、同社が実施したベンチマークの結果を紹介した。これは、LinuxとWebSphereアプリケーションインフラ上で動作するOracleデータベースと、Windows Server 2003と.NET 2.0上で動作するSQL Server 2005の性能を比較したもの(.NET 2.0はSQL Serverに組み込まれている)。

 バルマー氏によると、Microsoftのソフトウェアスタックは毎秒2915トランザクションを実行したのに対し、IBMベースの環境では毎秒1030トランザクションだったという。

 さらにバルマー氏は、Visual Studio 2005とSQL Server 2005をベースとした大規模アプリケーションを運用している顧客としてロンドン証券取引所、JetBlue Airways、オーストラリア国税局などを紹介し、Microsoft製品がエンタープライズに対応可能であることを示した。

 「当社の製品がミッションクリティカルアプリケーションに適したプラットフォームであることを人々に理解してもらうことを目指してきたが、われわれは今、大きな壁を乗り越えたと感じている」(同氏)

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